アルビオンは、2015年3月期決算を発表した。売上高は、前年比104.1%の507億8460万円、営業利益が同135.3%の88億6700万円、純利益が同149.1%の55億6700万円と増収増益だった。また、同社が売上高500億円を突破したのは初めてとなる。
部門別では、営業本部が同106.7%。「アルビオン」が同107%、「イグニス」が同93.9%、「エレガンス」が同112.3%。「『アルビオン』は主力の『薬用スキンコンディショナー』が数量ベースで同125%と伸長。『エレガンス』は3月に発売したメイクアップライン『エレガンス クルーズ』が貢献した」(水口理・営業本部 推販部 執行役員統括部長)。国際事業部は同94.7%で、「ポール&ジョー」が同104.6%、「レ・メルヴェイユーズ ラデュレ」が同141. 8%、「アナ スイ」が同64.3%、「ソニア リキエル」が同74.1%だった。「『ソニア リキエル』は3月で取り扱い終了となった。15年度は、3ブランドに注力。営業スタッフとも綿密な連携を取り、展開店舗の中で売り上げ上位ブランドに入るように存在感を強めていく」(小林勇介・国際事業本部 取締役本部長)。
販路別では、専門店が同102.5%、百貨店が同116.6%。専門店は69店舗が年商1億円を達成(前年から2店舗増)。そのうち3億円達成店が1店舗、2億円が5店舗だった。「年商1 億円店舗を早期に100 店舗まで拡大したい」(水口執行役員統括部長)。今期は、売上高500億5000万円、営業本部の売り上げは同100.1%、国際事業本部が同91.5%を目指す。いずれもインバウンド売り上げは含まない。
創業以来初の売上高500億円を超えたことに関して小林章一・社長は「独創性のある商品開発に注力してきたこと、安心・安全を徹底的に追求してきたことが結果に結びついた。今後も数字を追いかけるのではなく、もの作りを重視することは変わらない」と語り、一貫した姿勢を崩さないことを明言した。また、専門店・百貨店については、「納得のいくキメ細かいサポートができていない」店舗を精査していく考えだ。1998年の専門店は店舗数3400店舗で198億円(出荷ベース)だったが、2014年は1500店舗で280億円と実績を残したことから、創業70周年の26 年は700店舗(実際の店舗数1000〜1100店舗を想定)で400億円を目指す。百貨店も1998年が102店舗で36億円、2014年が63店舗で120億円。26年は60店舗で140 億円(インバウンド売り上げ含まず)を想定する。これを達成するためには「接客、サービスの向上が不可欠。今下期から、取引先にも協力してもらいながら人材育成に注力していく」。
また、インバウンド需要が拡大傾向にあることについては、「銀座や心斎橋の百貨店はインバウンド売り上げシェアが約50%を占めるほど。ただ全社売り上げに対するシェアは12%程度。インバウンド売り上げは"おまけ"と考え、日本人客の売り上げ増を図るため、さまざまな取り組みを行う」。
今年8月には、主力ブランド「エクサージュ」のスキンケアを6年ぶりにリニューアルする。11月には本社を構える東京・銀座に新たに生産拠点を設け"メード・イン・ギンザ"のクリーム「EX−VIE GINZA(エクスビー ギンザ)」(8万5000円)を発売する。「量産できない唯一無二の商品が完成した。歴史あるブランドから最高の商品を提供する」と来年迎える60周年に向けて、改めて日本人客に発信を強めていく。
また、専門店とタッグを組んだ新業態「アルビオン ドレッサー」で初の路面店を東京・銀座に6月19日にオープンする。白を基調にした店舗は、1・2階の2フロア構成。1階の売り場面積は約66平方メートル、2階が約82平方メートルとなる。1階は「アルビオン」の主力製品「薬用スキンコンディショナー」や乳液の他、セレクトした雑貨アイテムなどもそろえる。2階はボディーケアアイテムやルームウエアなどを集積する他、カウンセリングルーム、初となるカフェスペースなどを設ける。