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米国でZ世代向けフレグランスが活況 先鋭的なコンセプトの5ブランドを紹介

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フレグランス市場の勢いがますます加速する米国で、Z世代をターゲットとした新興ファインフレグランスが続々誕生している。その多くは他業界からの参入で、従来とは一線を画す先鋭的なコンセプトが際立っている。ここでは注目すべき5つの米国発フレグランスブランドを紹介する。

市場および消費者データ分析会社スタティスタ(STATISTA)によれば、2024年の米国のフレグランス市場規模は88億6000万ドル(約1兆4254億4100万円)で、28年までに年平均成長率1.71%の成長が見込まれている。特にTikTokではハッシュタグ「#PerfumeTok」の再生回数が64億回以上を超えるなどフレグランス人気が伸び続けており、調査会社サーカナ(CIRCANA)のラリッサ・ジェンセン(Larissa Jensen)=美容業界アドバイザーも、「フレグランスへ強い関心があるZ世代の支持を得ることが非常に重要」と強調する。

業界に先駆けた100%成分開示で透明性を追求

デジタルネイティブであるZ世代は、商品選びにおいて透明性・信頼性を最も重視しているが、これまで化粧品の安全性について厳格な規制がなかった米国でも、22年に化粧品規制近代化法(以下、MOCRA)が制定されたことで、そのムードがますます高まりそうだ。7月1日から、各社はフレグランス商品の香料アレルゲンを含む全成分をFDA(米食品医薬品局)へ提出しなければならず、ラベル印刷など消費者への可視化も義務付けられる。

その追い風を受けているのが、米女優のミシェル・ファイファー(Michelle Pfeiffer)が19年に創設したクリーンフレグランスブランド「ヘンリー ローズ(HENRY ROSE)」だ。これまで成分についての開示義務やトレーサビリティに関する規制がなく、有害な成分が含まれていてもブラックボックスだったフレグランス業界に異議を唱え、ファイファー創設者はファインフレグランスで初めて、化粧品の安全性を保証するEWGと商品の環境面、倫理面を評価するクレイドル・トゥ・クレイドル(ゆりかごからゆりかごまで)のゴールド賞の2つの認証を取得。さらに商品に含まれる全成分を公式サイトに掲載することで商品の透明性を徹底している。大手香料メーカーIFF(INTERNATIONAL FLAVORS & FRAGRANCES)のパスカル・ゴーラン(Pascal Gaurin)調香師とイブ・カサール(Yves Cassar)調香師との協業で手掛けた調香では、一般的に使用される3000種類以上の香料パレットからではなく、安全性が確認されている300種類の原材料のみを使用した。

開発の原点となったのは、自身が母親になったこと。香水には子供に有害な成分が含まれている可能性があることを知り、10年間香水を使用しなかったファイファー創設者は、それでも状況が変わらず「もう自分で作るしかないと思った」という。持続可能性にもコミットし、循環型のプロダクトデザインには再利用できない素材を一切使わず、ボトルは使用後100%リサイクル可能な素材を採用。購入者にも使用後の分別やリサイクルを呼びかけている。

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