ロート製薬がヘアケア事業に本腰を入れる。9月にスキンケアの研究知見と技術を頭皮や毛髪に応用した、EC限定の「プロリー(PRORY)」とドラッグストアを中心に販売する「ギュット(GYUTTO)」の2ブランドを立ち上げ、同カテゴリーの存在感を高めていく。新ヘアケアブランドの誕生は6年ぶり。
9月2日に発売する「プロリー」は、頭皮の乾燥や、パサつき、艶のなさ、うねり、広がり、といった年齢とともに気になる髪悩みに着目。髪を内部から構成するタンパク質からヒントを得て5種類のプロテイン由来の機能性保湿成分「ステムプロテインCP」を開発した。髪に潤いを与える3アイテムをラインアップする。
ヒーロー商品として位置づける集中ケア美容液“モイストリペア トリートメントセラム”(180mL、4950円)は、主力成分の「ステムプロテインCP」をシリーズ内最高濃度で配合。塗布すると“じんわり”と温かくなる感触が特徴。シャンプーとトリートメントの間に使うこと可能。“モイストリペア シャンプー”(450mL、2640円/レフィル400mL、2420円)は、汚れを落としながら頭皮の乾燥を防ぎ、指通りのいい髪に洗い上げる。“モイストリペア トリートメント”(450g、2640円/レフィル400g、2420円)は、ダメージ毛からのタンパク質の流出を防ぎ、滑らかで扱いやすく、艶・ハリ・コシのある髪に仕上げる。同ブランドはアマゾン、楽天、ロート製薬の公式ECで取り扱う。
9月14日に発売する「ギュット」は、ダメージで引き起こされる、うねりや広がり、ごわつきなどの“大人のクセ髪”をケアするヘアマスク“コルセットヘアマスク”(30g、550円/200g、1485円※編集部調べ)を展開する。名のレベルのダメージ補修成分や13種の美容液成分を配合し、手ぐしで柔らかくまとまる艶髪へ導く。デザインカラーは、AIによるデザイン評価を実施し、「効き目を最もイメージできる」としたグリーンをベースカラーに採用した。7月1日にECサイト、8月30日に全国のロフトで先行販売を開始する。今後、ラインアップの拡充も視野に入れる。
両ブランド共通して独自開発の「コアコルセット技術」を搭載する。うねり補正成分が髪の芯に、コントロールコート成分が髪表面にアプローチし、ダメージでうねった髪1本1本の質感を改善する。
長年の“サイエンス力”をアプローチ
ロート製薬のヘアケアは、1995年に研究開発をスタート。2010年にエイジング世代向けの“50の恵”シリーズ、14年に頭皮環境に着目した“メンソレータムメディクイックHシャンプー”、18年に男性用発毛剤“リグロEX5”など頭皮や髪悩みに応える商品をそろえ、ドラッグストアを中心に展開してきた。
奥野久仁子プロダクト&ブランド・マーケティング部 部長 兼コーポレート&ブランド戦略室担当は、「薬のような効果実感を目指した商品群はお客さまからの支持が厚く、顧客との強固なつながりを構築している」と胸を張る。特に“50の恵”シリーズは、ヘアケア意識が高い香港女性からも人気を集め、香港のヘアケア市場でシェア1位(2023年、同社調べ)を獲得。国内外問わず顧客ニーズに寄り添い、ヘアケアの提案に力を注いでいる。
同社によると、消費者にとってヘアケアはスキンケアに比べて知識が浅く、「情緒的な世界観」「仕上がり」「香り」と少ない選択肢から漠然と選ぶ傾向が多いと分析。納得できるものに出合えていない“ヘアケア迷子”が多いという。「われわれのサイエンスの力でヘアケアに“サイエンス”という新しい選択肢を作り、選ぶことが楽しくなるようなカテゴリーへと進化させたい」と意欲を見せる。
杉本雅史ロート製薬社長は、「この2ブランドは、社員がお客さまの悩みに寄り添い、その悩みに応えたいという情熱や強い使命感を持ち、開発をスタートした。当社のサイエンスの力が合わさり、圧倒的な効果に自信のある商品ができあがった。今後も、社員一人一人のハートから生まれる力を結集し、お客さまの心を動かしていきたい」と語った。