欧米企業の経営陣は、莫大な報酬を受け取っていることが多い。米電気自動車大手テスラが6月13日の株主総会で、イーロン・マスク(Elon Musk)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)の報酬として承認した560億ドル(約8兆9040億円)は桁外れだが、ファッションや小売業界トップも数十億円レベルだ。これほど高額になる一因は業績に連動した株式報酬やインセンティブ報酬だが、やる気を引き出すのに有効な手段であることは間違いないだろう。ここでは、企業が米国証券取引委員会に提出した文書に基づいて米「WWD」が選出した、2023年度の米アパレルおよび小売企業CEOらの高額報酬ランキングトップ10と、各社の最新情報をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月1日号からの抜粋です)
1位
モーリス・ゴールドファーブ(Morris Goldfarb)/
G-IIIアパレル グループ 会長兼CEO
3143万ドル(約49億円)
前年比増加率:442.8%
G-IIIアパレル グループ(G-III APPAREL GROUP)は、PVHコープ(PVH CORP以下、PVH)が擁する「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」などのライセンス生産を手掛けていたが、2022年にPVHが両ブランドの内製化にかじを切ったことで、一時は売り上げが落ちていた。しかし、同年に「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」を買収したほか、16年に買収した「ダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)」を24年2月にリローンチするなど事業を再構築。24年1月期決算では、売上高は前期比4.0%減の30億9824万ドル(約4926億円)だったものの、営業利益は前年の1億946万ドル(約174億円)の赤字から2億8334万ドル(約450億円)の黒字に転換した。
2位
ダグ・マクミロン(Doug McMillon)/
ウォルマート 社長兼CEO
2696万ドル(約42億円)
前年比増加率:6.6%
米小売最大手のウォルマート(WALMART)は、北米の景気回復を背景に業績を伸ばし、2024年1月期決算の売上高は前期比6.0%増の6481億ドル(約103兆479億円)、純利益は同32.8%増の155億ドル(約2兆4645億円)に。6月5日の株主総会に先立ち、時給ベースの販売員を対象とした新たなボーナス制度を導入した。
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