プラダの2016年1月期決算は売上高が前年比99%の35億4000万ユーロ(約4354億2000万円)、営業利益が同71.7%の5億300万ユーロ(約651億9000万円)、純利益が同73.4%の3億3000万ユーロ(約405億9000万円)と減収減益だった。中国市場の低迷が売り上げの足を引っ張ったとみられる。同社は16年度も雲行きが怪しいと判断している。
地域別で見ると小売売上高はヨーロッパが同106%の10億580万ユーロ(約1301億3400万円)、北米が同105%の4億1000万ユーロ(約504億3000万円)、アジア太平洋地域が同96%の10億800万ユーロ(約1328億4000万円)、日本が同111%の4億300万ユーロ(約528億9000万円)、中東が同112%の1億300万ユーロ(約159億9000万円)だった。ヨーロッパはフランスの連続テロ発生にも関わらず成長が見られ、日本も中国人観光客の恩恵を受けた。北米はドル高による観光客減少、アジア太平洋地域は不安定な中国市場、中東はドバイの観光客減少の影響を受けた。ブランド別の小売売上高は「プラダ」が同101%の24億8700万ユーロ(約3059億100万円)、「ミュウミュウ」が同110%の5億100万ユーロ(約627億3000万円)、「チャーチ」が同115%の5600万ユーロ(約68億8800万円)だった。同社は小売ネットワークを拡大する一方で、卸売チャネルの縮小を図った。その結果新規店舗を22店舗オープンし、16年1月末時点で618の直営店を構えた。 また、一方で卸売上高は同83.3%の4億4400万ユーロ(約546億1200万円)だった。レザーグッズが全体の売り上げの63%を占め、主力カテゴリーであり続けたが、シューズの成長率が同120%で全体の18%を占めるなど、好成績を記録した。アイウエアの他、「ミュウミュウ」初のフレグランスも売り上げをけん引した。
同社は顧客のエンゲージメントを高めるためにテクノロジーやソーシャルメディアを強化し、1月中旬から「プラダ」および「ミュウミュウ」の店舗でWi-Fi接続サービスを開始した。。パトリッツィオ・ベルテッリ=プラダ最高経営責任者は「われわれは引き続き最新のコミュニケーションツールを活用していき、より広い顧客層を獲得したい。同時に、高い品質とコンテンポラリーなデザインを追求し続け、ブランドの独自性を保っていく」と語った。
Luisa Zargani訳 WWDジャパン編集部