高島屋の2016年2月期連結決算は、売上高に担当する営業収益が9295億8800万円(前期比101%)、営業利益が329億7200万円(同103%)、経常利益が377億8500万円(同105%)、純利益が238億2900万円(同105%)と増収増益だった。
訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の他、15年10月に日本橋店本館斜め向かいにオープンした「タカシマヤ ウォッチメゾン」が約24億円の売上高を記録し、好調だった。6月に玉川高島屋S・C、と横浜店をリニューアルし、10月に新業態の婦人雑貨中心の小型店舗タカシマヤ スタイルメゾンを海老名市にオープンした。外商限定サイト「タカシマヤ・イーサロン」も開設し、富裕層の購買による高額商品の順調な売れ行きも目立った。売り上げをけん引したインバウンド消費は前期の2倍の300億円を記録した。その一方で、婦人服を筆頭に衣料品の売り上げの低迷、中間層の消費の低迷が顕著だった。木本茂取締役社長は「2年前に増税したものの、それに伴う実質的賃金は上がっておらず、消費の活発化につながっていない。また、実店舗からECサイトまで、現代の消費者の購買チャネルが多様化しているのも大きく影響する」とコメントした。主要店舗の売上高は日本橋店の1366億3100万円、横浜店が1320億350万円、大阪店が1276億3000万円だった。
17年2月期は営業収益が9530億円(同102%)、営業利益が340億円(同103%)、経常利益が380億円(同100%)、純利益が240億円(同100%)になると見込む。不調の婦人服は秋に6店でスタートする自主編集売り場「スタイルラボ」をはじめ、素材までさかのぼって作るオリジナル商品を強化し、立て直しを図る。インバウンド消費は350億円に上るとみている。