紫陽花の咲く情景を香りで表現した“レインブロッサム”
日本発「リベルタ パフューム(LIBERTA PERFUME)」(以下、リベルタ)から、新作フレグランス“レインブロッサム”が登場した。同フレグランスは、“香りがないものに香りを与える”というコンセプトの既製品“リバレイション”コレクションの新作だ。紫陽花の花咲く雨の古寺をイメージした“レインブロッサム”はインセンスがほのかに香るフローラルオリエンタル。トップノートは、独自に開発した“雨のアコード”で、梅雨時期のしとしとと降り注ぐ雨から漂う香りや土から立ち上る匂いを表現している。それに続き、紫陽花の花弁を想起させるフローラルアコード、雨に佇む寺院の静寂さを感じさせるインセンスが漂う。日本独特の梅雨の情景を表現した風情のある香りになっている。価格は1万8000円。店舗と公式ECで販売する。
既製品以外にも世界に一つの香りを提供
「リベルタ パフューム」中目黒店。カウンター越しの壁面には、ずらりとフレグランスや香料などが並び、フルオーダーを受け付ける
既製品“リバレイション”コレクションの新作“レインブロッサム”1万8000円
5種類の香りを試せる“リバレイションボックス”2万2000円
「リベルタ」は“香りの民主化”テーマに2020年に誕生したD2Cパーソナライズフレグランスブランドだ。調香師のノウハウを反映した独自のアルゴリズムを用いた香りの診断により導き出される14種類の香り“パーソナルコレクション”をはじめ、“パーソナルコレクション”にベース香料18種、オプション香料24種を組み合わせ専属調香師とのカウンセリングを通して世界に一つ香り(フルオーダー)を提供している。D2Cブランドであるため、グレードの高い香料を使用しながらも手に取りやすい価格帯を実現。“素材のよさ”“テクニック”“センス”という方程式を元に、素材の良さを引き立てながら調和をとりつつ、新しさがある心地よい香りを提案している。23年9月には、東京・中目黒にラボパフューマリーを併設した店舗をオープン。フルオーダーや既製品の提供をはじめ、過去のフルオーダーのアーカイブの香りの紹介なども行う。
世界各国から訪れる「リベルタ」中目黒店
PROFILE: :山根大輝/セントピア代表PROFILE: (やまね・だいき)
1991年千葉県生まれ。明治大学商学部卒業後、外資コンサルティング企業で働きながら、 「パルファンサトリ」の大沢さとりに師事し調香を習得後、2020年に「リベルタ パフューム」を設立。“香りの民主化”を掲げ、 調香師やブランドディレクターとして活躍する傍ら、香りや匂いを通したさまざまなコラボレーションを展開。23年からバンタンデザイン研究所にて講師を務め、香水ブランド創業を目指す人材の育成にも取り組む
ラボを併設した「リベルタ」中目黒店は開放感のある空間。カウンターに腰掛けて、壁面にずらりと並ぶフレグランスや香料などをゆったり楽しめるようになっている。D2C中心のブランドだが、口コミで広がり、世界各国から、ただ一つの香りを求めて来店する客もいるという。中目黒の店舗は、散歩がてらに立ち寄る外国人客も多いようだ。日本人の感性が反映された香りは、海外でも支持を集めている。
中目黒店のラボ。“レインブロッサム”の発表時にはウインドーに紫陽花がペイントされた
ガラス越しにラボの様子も見えるようになっており、カウンセリングから調香までを店舗にいながら見ることができる。モノ作り全体のプロセスを体験できるのも、香りにこだわる顧客にとっては魅力なのだろう。「リベルタ」を運営するセントピアの山根大輝代表は、「オープンなパフューマリーであることが大切。調香などの裏側を見てもらうことで、香水業界に興味を持ってもらい働く人が増えるきっかけになれば」とコメント。香りというプロダクトの提供だけでなく、香水業界全体の活性化も視野に入れた活動をしている。