三菱地所は、名古屋駅前に開発中の大名古屋ビルヂングの正式名称を「大名古屋ビル」とし、来年11月からサービス関連部分を順次開業し、16年3月に三越伊勢丹のセレクトストアを中核とした商業ゾーンをグランドオープンすることを発表した。
コンセプトは「集客力・情報発信力を兼ね備えた新たな名古屋の顔」。地下1〜地上5階の「大名古屋ビル ショップス&レストランズ」には、商業ゾーン(約2500坪)としてファッション・雑貨などの物販や飲食店を集積する。4階は金融サービスゾーン(約1100坪)、5階はビジネスサポートゾーン(約300坪)としてカフェラウンジやコンビニエンスストア、貸し会議室などを展開する。7〜16階は「大名古屋ビル ライフスタイル&サービス(Lifestyle & Services)」(最大約7000坪)として、クリニックモールや金融機関、住環境・ライフスタイルを総合的に提案するショールームなどを展開し、集客装置とする考え。「ショップス&レストランズ」と有機的に連携させ、1万坪(約3万3000平方メートル)級の大型集客施設を目指す。なお、ビル本体は地下4階〜地上34階で、上層階はオフィスになる。1階に広場(ダイナゴヤパーク)、5階に屋上庭園(スカイガーデン)なども設ける。
商業ゾーンのコンセプトは「D・N・A(大・名古屋ビルヂング・アドヴァンス)」。「約半世紀にわたって名古屋駅前のシンボルとして親しまれてきたDNAを受け継ぎつつ、"新しさ"や、"非日常性"など新たな付加価値を創造し、名古屋駅前の新しい顔にふさわしい複合施設を目指す」と三菱地所。名古屋駅周辺エリアで都市型ライフスタイルを楽しむオフィスワーカーや、ワンランク上のライフスタイルを目指す"アーバンライフ・エディター"をターゲットに、約2500坪に物販30店舗、飲食40店舗を集積する。
周辺には高島屋やミッドランドスクエアなど競合も多いが、物販ゾーンでは「ノスタルジック×クリエイティブ」をコンセプトに、伊勢丹のセレクトストアや、地元の有力専門店、全国区の専門店の新業態など、名古屋駅エリア初出店ブランドを集積する。ジュンのライフスタイル型ストアや、有名インポートデニムストアなども入居が見込まれる。
伊勢丹のセレクトストアは900坪超・3000平方メートル超で、来春、東京ミッドタウンにオープンする「イセタンサローネ」に比べて3倍以上の大きさになる。「旬のファッションに関心の高い高感度な男女をメインターゲットとし、三越伊勢丹グループが強みとする『独自性』『編集力』を結集させたフロア」になるという。地下1階〜地上2階の3層にわたって展開し、アイテムの枠を超えて婦人・紳士のファッション、雑貨を提案する。ラグジュアリーブランドのシューズ・バッグやデザイナーズブランドなどを集積。コスメは12年に立ち上げ、進化を図っている「イセタンミラー」の最新型店舗となる見通しだ。