百貨店主要4社の6月度の売上高は2割前後の増収だった。インバウンド活況によって免税売上高が業績全体をけん引する状況が続いている。国内顧客は、雨傘などのレイングッズに加えてサングラスやUVケア商品といった夏物アイテムに動きが見られた。
売上高は三越伊勢丹が前年同月比24.2%増、高島屋が同17.2%増、大丸松坂屋百貨店が同19.8%増、阪急阪神百貨店が同25.5%増だった。
三越伊勢丹は、基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の合計売上高が前年同月比27.3%増、コロナ前の19年比44.4%増だった。3店ともに12カ月連続で18年度を上回った。国内顧客と訪日客ともに、ラグジュアリーブランドやデザイナーズの衣料品やハンドバッグといった高付加価値商品への関心が高く、免税売上高は前年同月の2.3倍、19年同月の2.7倍と大きく伸長している。
高島屋の免税売上高は同約2.2倍となって全体を押し上げた。過去最高売上高を更新した5月に続く、2番目に高い実績で着地した。インバウンド活況により観光客が集う都心店の業績が好調で、大阪店の売上高は前年同月比25.9%増、京都店は同24.2%増、新宿店は同22.8%増だった。国内顧客は晴雨兼用傘や寒暖差対応のジャケットといった気候対応アイテムに動きが見られた。
大丸松坂屋の免税売上高は同約2.3倍だった。名古屋店、札幌店、京都店などでも免税売上高が伸長するなど、好調店舗が全国に広がったことが要因だ。気温の上昇に伴ってサングラス、UVケア商品などが活発に動き、ラグジュアリーブランドや化粧品も好調を持続した。
阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)の免税売上高は同2.7倍と大きく飛躍し、13カ月連続で同月の売上高において過去最高を更新した。特に、阪急本店と博多阪急の免税売上高が好調で全体をけん引した。