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ダイドーリミテッド新経営陣に厳しい目 「ニューヨーカー」「ブルックスブラザーズ」再建できるか

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「ニューヨーカー」「ブルックスブラザーズ」などを運営するダイドーリミテッドの新体制が発足した。11期連続の営業赤字のダイドーに対し、アクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタルが経営陣の刷新を求めて応酬を繰り返す異例の事態を経て、6月27日の株主総会でダイドー側が推す取締役候補6人のうち5人、ストラテジック側が株主提案する取締役候補6人のうち3人の計8人が新しい取締役に選任された。激しい対立をノーサイドとし、一枚岩となった再建はできるのか。

6月27日付で代表取締役会長兼CEOに山田政弘氏、代表取締役社長執行役員COOに成瀬功一郎氏が就いた。2人ともダイドーの経営支援に携わった経営コンサル会社、ジェミニストラテジーグループの出身で、山田氏はジェミニのCEO職と兼務となる。トップに外部出身者が就くのはダイドーの145年の歴史で初めてだ。

対立はなく「フラットに意見を交わす」

翌28日に東京・秋葉原の本社で記者会見に臨んだ山田会長兼CEOは、対立していたストラテジックが提案した3人の取締役との融和を強調した。

「3人はストラテジックの意向を受けているわけではない。それぞれが経験と実績をお持ちだ。フラットに意見を交わして、取締役会の精度を上げられると思う」

ストラテジック側が提案した3人とは、取締役執行役員に就いた中山俊彦氏(元ブルックスブラザーズジャパンCFO)、社外取締役に就いた大澤道雄氏(元オンワード樫山社長)と村田正樹氏(元森トラストアセットマネジメント社長)である。中山氏と大澤氏はアパレル業界での経験が株主から支持された。

ダイドー側から選ばれた山田会長兼CEO自身も「サマンサモスモス」を販売するキャンや婦人靴製造・小売りのアカクラなどファッション業界の経営支援に実績を持つ。成瀬社長はIT企業を中心とした実績が豊富だ。これにダイドーのプロパーである白子田圭一氏と今井和俊氏が取締役執行役員に、ワールドやアダストリアの取締役だった久保木大世氏が社外取締役にそれぞれ就任した。

新体制が発足したことで今後の焦点は、山田氏らジェミニと旧経営陣が策定した中期経営計画の実行に移る。ダイドーの24年3月期連結業績は、売上高が284億円、営業損失4億円、ROE(自己資本利益率)が2.1%。2027年3月期を最終年度にした中計では海外事業の拡大、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、M&Aの積極化を柱にし、売上高360億円、営業利益15億円、ROE8.0%を目指す。

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