「2030年は(売上高)30兆円を目指したい。これはホラじゃない。夢だ」——。「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長は、18日に開催されたメディア懇親会で挨拶し、壮大な構想を披露した。柳井会長は懇親会に出席した同社の幹部たちに向け「今日は(メディア関係者に)ホラを吹いてほしい」と呼びかけ、続けて「今期(2015年8月期連結)の売上高は1兆6000億円の見通し。来期は2兆円、その次は2兆5000億円。5兆円もホラではなくなってきた」と話した。グループ企業であるジーユー(14年8月期売上高1075億円)の柚木治・社長に対しては「ジーユーも1兆円くらいのホラを吹いてほしい」と発破をかけた。
実現不可能と思われる大きな数値目標を示し、組織をドラスティックに変えていくのが柳井流。00年代前半には当時の売上高の3倍にあたる「10年に売上高1兆円計画」を宣言、現在は「20年に売上高5兆円計画」をぶち上げ、アジアを中心に出店攻勢をかけている。さらに途方もない数値目標を掲げて、求心力を高める狙いとみられる。同社のある役員は「(柳井会長は)ホラといっているが、半分以上本気だと思う」と話した。