しまむらの2014年2月期連結決算は、売上高5018億9800万円(前期比102.2%)、営業利益418億6800万円(同91.9%)、経常利益440億1600万円(同92.4%)、純利益265億8300万円(同96.6%)で5期ぶりの減益だった。円安で仕入れ原価が膨らんだほか、販売不振に伴う値下げ商品の増加、高品質なプライベート(PB)ブランドの開発の遅れなどが主な要因。新規出店については70店舗を計画していたが、建設業界の人手不足などによって50店舗にとどまった。事業別では、商品売上高の8割を占める主力のしまむら事業が同101.8%、シャンブル事業が同102.5%と微増で、バースデイ事業部は同113.5%と二ケタ増。アベイル事業部がトレンドアイテムの不足などにより同98.3%となっている。
今期の見通しは、売上高5400億円(前期比107.6%)、営業利益507億1700万円(同121.1%)、経常利益522億2000万円(同118.6%)、純利益314億2000万円(同118.2%)。テーマは「価値と価格のアピール」。「商品そのものだけでなく、店内販促物やチラシまで、価値と価格のアピールを徹底していく。前期は消化不良となった商品開発にも力を入れ、積極的に攻めていくつもりだ」と野中正人しまむら社長。「アイテムはすべてが安価であればいいという考えはやめ」、従来の価格帯よりも品質を上げることで500〜1000円程度高い「ソリデル(SORRIDERE)」「クロッシー(CLOSSHI)」といったPBブランドや、トレンド商品の開発にも本腰を入れる。さらに商品の仕入れに特化した売場管理部を新設するほか、広告宣伝部門と販売企画部門の統合、品質管理部門の独立など、さらなるローコスト化とスピード化を図る。また、今期は前年と同じく新規店舗数の目標を70店(前期実績50店)に据え、スーパーマーケットなどに加え百貨店やSCにも積極的に出店していく考えだ。