女性下着のヘブンジャパン(大阪、松田崇社長)は、ポップアップを精力的に開催して女性からの支持を獲得している。現在も2024年秋コレクションの展示会兼試着体験会をマルイ新宿 アネックス2階で6月29日〜7月4日に開催しており、名古屋、博多でも順次開く。
同社は悩みを起点に商品開発を進めており、加齢による胸の垂れやバストが大きいからこそ目立ちたくないという悩みに着目した“どんとこいブラ”や、流れてしまう脇肉をキャッチする “元祖脇肉キャッチャー”など、デイリーブラ計12ラインを展開する。商品の価格やサイズでジャストフィットを諦めてほしくないという思いから、サイズはKカップ、一部商品はMカップまでそろえ、全ての商品でブラは7480円、ショーツは1650円の統一価格を採用している。
メインの販売チャネルはオンラインだが、東京と大阪に試着体験サロンを設置してフィッティングサービスを提供するなど、顧客一人一人にフィットする商品の提供に注力している。こうした取り組みで女性の支持を獲得し、売上高は22年度が10億円、23年度が11億円と伸長している。
近年、下着メーカーは苦戦を強いられている。2006年にユニクロが発売した“ブラトップ”をきっかけに、消費者のニーズは快適さに向かうようになった。21年には国内女性用下着市場のトップシェアはワコールからユニクロに代わり、専業の下着メーカーは軒並み立て直しを図っている。
「今の若い世代はユニクロがファーストブラになっている人も少なくない。もちろん下着は個々人がライフスタイルに合ったアイテムを選択すればいいと思うが、正しい知識を得た上で下着を選ぶことで潜在的な悩みの解消につながったりフィット感を得られることを知ってほしい」と広報担当は話す。
24年2月には同社の拠点である大阪・河内長野の高校で女性生徒に下着に関する授業を開講した。今後もこうした啓蒙活動や実際にフィッティングする場づくりに注力していく方針だ。