青山商事のスーツ量販業態「スーツスクエア(SUIT SQUARE)」は、人気ウィメンズブランド「アメリ(AMERI)」の黒石奈央子ディレクターと協業し、新ブランド「シス(CIS.)」を9月下旬に立ち上げる。一部の実店舗およびECで取り扱う。
7月初旬に開かれた発表会で、発売予定の商品の一部をお披露目した。価格帯はジャケットが3万円台、ボトムスが2万円前後、シャツが1万円前後を予定する。ジャケットとパンツのセットアップ、シャツなどベーシックなラインアップだが、一癖あるディテールや着こなしの工夫により、オン・オフで使い回せるようにした。タンクトップをドッキングしたビッグシャツは、ボタンを外して肩を抜いたり、タックインでブラウジングさせたりして、シルエットを変化させられる。短丈のジップジャケットは、共地のジレの上に重ねても、逆にインしても着られる。商品は一部を除き、ジャケットやジレなど羽織りアイテムも含め全てマシンウオッシャブルだ。
発表会では、黒石が協業の背景や思いを語った。「私自身、ずっとアパレル業界にいてビジネスウエアとは縁がなかった。だから(青山商事からの協業の打診に)この仕事を引き受けるか迷ったが、新しい挑戦が自分の可能性を広げ、経験にもなると考えた。オフィスカジュアルというルールの中でも、自分らしいおしゃれを楽しみたい人はたくさんいる。奇抜じゃないけれど、でも皆が着ているものとは違う。そんな、これまでにない仕事服を届けたい」。
コラボを新客獲得のフックに
青山商事は昨年5月、「ザ・スーツカンパニー」を現名称の「スーツスクエア」へ屋号変更し、リブランディングの最中。多様化するビジネススタイルへの対応や、若年層の獲得を主眼に、コラボレーションを通じてMDを拡大している。今年2月には高感度な男性へアプローチすべく、元ビームスバイヤーの高田朋佳氏と協業した新ブランド「グービ(GOOVI)」をローンチした。それに続く新ブランドの「シス」には、若い女性客の取り込みを期待する。河野克彦TSC本部長は、「20〜30代に絶大な人気を誇る黒石さんの企画力、SNSプロモーションなど、当社にこれまでになかった知見を生かして新規客獲得につなげたい」と話す。