「新鮮なデザインと機能素材の掛け算で酷暑を乗り越える」――。オンワードホールディングス(HD)の保元道宣社長は、4日に開催された2024年3〜5月期の決算説明会(オンライン)でそう話した。10月までの残暑が当たり前になった市場に対応するためMDを見直す。クリアランスセール終了後の7月後半に、プロパーで売れる魅力のある商品を拡充する。
保元社長は「コロナのリベンジ消費は一巡し、消費者の気分が変わった」とも話した。昨年は婦人服でも定番品がけん引したが、今年に入ると新鮮なデザインに消費者の関心が移りつつある。例えば開始からわずか3年で売上高50億円(24年2月期)を達成したD2Cブランド「アンフィーロ」では定番品だけでなく新規企画商品が人気を博し、3〜5月期も74.2%の増収だった。6〜8月期、さらに9月以降についても接触冷感やUVカットなどの機能素材と鮮度のあるデザインによって従来のセオリーにとらわれない“初秋物”で積極策を打つ。
同社の2024年3〜5月期業績は、売上高が2.9%増の513億円、営業利益が同5.7%減の50億円、純利益が同20.1%増の40億円だった。営業利益の減益はOMO型店舗の拡大に伴い、一時的に在庫水準を積み上げたため、粗利益率が1.4ポイント低下したことに伴う。
同時に2025年2月期の純利益予想を82億円に上方修正した。修正前は80億円だった。持分法適用関連会社であるウィゴーの業績好調が主な要因。売上高2000億円、営業利益125億円の期初予想は据え置く。