花王のプレステージブランド「エスト(EST)」が今秋、リニューアルする。同社初となるRNAモニタリング技術を活用した肌解析機を全店舗に導入し、個々の肌状態に合わせた商品提案を強化する。第1弾ではエイジングケアライン“G.P.”を刷新し、肌悩みの原因に着目した3タイプの化粧水と乳液(各1万3200円)を9月6日に発売する。同時に、ニュアンスのあるオレンジと黒をブランドカラーに制定し、店頭デザインと美容部員の制服を刷新。既存品は3〜4年以内に順次リニューアルを行う。
「エスト」は2000年に誕生。これまで、エビデンスにこだわった効果実感できるソリューションを提案しながら、個々の“真実の美しさ”を引き出すために、肌解析に力を注いできた。今回新たに導入するRNAモニタリング技術を活用した肌解析機は、写真を撮るだけで肌のキメやみずみずしさ、メラニンの状態に加え、肌に与えるリスクまでも解析ができる。塩地秀行 花王プレステージビジネスグループ長は、「“真実”に近づく肌解析と、1人1人の肌状態に合わせた商品提案により、お客さま満足度の高いブランドへと生まれ変わる」と期待を寄せる。
2019年に仲間入りした“G.P.”ラインは、今回が初のリニューアルとなる。新化粧水“G.P セラムイン ローション”(3種、140mL、各1万3200円/レフィル140mL、各1万2650円)は、今春稼動した花王独自の植物工場「スマートガーデン」で栽培・抽出したローマカミツレおよびローズマリーの高純度植物エキスを採用。新乳液“G.P. セラムイン エマルジョン”(3種、120g、各1万3200円/レフィル120g、各1万2650円)は、艶、美白、ハリ肌に導く3種をそろえる。
「エスト」の中心客層は40代で、ここ最近は新規客の取り込みに成功している。ブランドを代表する“ザ ローション”(140mL、6600円)をはじめ、22年に誕生したジェル洗顔“クラリファイイング ジェル ウォッシュ”(130g、4950円)や、今春発売した泡洗顔“AC ピュリファイ マッサージウォッシュ”(170g、4950円)が好評で新規客からの指名買いが多い。「ヒットアイテムが増え、業績も計画以上の進捗だ。ここからまた、新しい体験が増えるので楽しんでいただきたい」(清原麻紀子ブランドマネジャー)と話す。直近ではインバウント売り上げが「ケタ違いで伸張している」と述べる。海外事業に関しては、シンガポール、台湾、香港で展開していたが、コロナ禍の影響を受け撤退した。しかし、新たに展開する“G.P”ラインは越境ECの販売を予定しており、「まずは日本で足を固めてから、(海外進出を)もう1度チャレンジする」と意気込む。