高島屋の2015年2月期連結決算は、売上高にあたる営業収益が9125億円(前期比100.9%)、営業利益320億円(同110.0%)、経常利益359億円(同107.7%)、純利益225億円(同120.7%)だった。3期連続の増収、営業利益は5期連続の増益になった。
本業の百貨店は、売上高8029億円(同100.6%)、営業利益155億円(同111.1%)。消費税アップ前の駆け込み需要や、都市部の店舗でのインバウンド消費が売り上げ増の要因として挙げられた。項目別では、化粧品が416億円(同106.6%)、美術・宝石・貴金属が341億円(同108.5%)で、特に時計は同118.0%と、売り上げをけん引。インバウンド消費は、当初の計画である通期110億円を大幅に超えた140億円で着地した。なお、富裕層が集まり、高額品の売れ行きが好調な都市部の店舗に比べ、地方店舗は売り上げが伸び悩んだことに加え、インバウンドの売り上げも合計2億円程度とふるわなかった。海外店舗では、シンガポール店が売上高550億円(同110.0%)と引き続き好調。上海店は売上高が62億円(同121.0%)、入店客は1日約1万人に増加したが、「黒字化には約10年を要する」と木本茂・高島屋社長は予測する。
16年2月期は、営業収益9250億円(前期比101.4%)、営業利益340億円(同106.2%)、経常利益374億円(同104.2%)、純利益233億円(同103.2%)を見込む。大手企業のベースアップに伴う中間層の消費拡大に加え、毎月増え続けているインバウンド消費では220億円の売上高を狙う。