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おしゃれなビューティ企業のオフィス4選 「グロシエ」など、ビューティ企業の羨ましい会社訪問

ワークライフバランスと、遊び心に溢れつつ緻密な設計のオフィス空間は、ビューティブランドの創造性を育むのに欠かせない存在だ。アメリカのビューティ企業のおしゃれなオフィス4つを紹介する。

「レア ビューティ」

米国の俳優であり歌手のセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)が創設した「レア ビューティ(RARE BEAUTY以下、レア)」は、カリフォルニア州ロサンゼルスにピンクのベルベット調のオフィスを構える。

米化粧品小売大手「セフォラ(SEPHORA)」でデビューする前の19年にブランドに加わったジョイス・キム(Joyce Kim)最高製品責任者は、「壁を塗り替えただけで起こる変化の大きさに驚いた」と話す。ブランドデビュー前、オフィスの壁は剥き出しで、「ブランドのカラーやコンセプトは何も決まっていなかった」と振り返る。23年になると、商品のビジュアルを特徴づけるピンクとプラムの色合いだけでなく、内面と外面のウェルビーイングを育むというミッションも確立し、オフィスの改装に乗り出した。

改装は米インテリアデザイン会社のヘイブンリー(HAVENLY)が手掛け、「レア」のアロマセラピーを取り入れたボディーケアコレクション“ファインド コンフォート”の開発と並行して行われた。ラウンジにはゆったりとしたソファーを設置し、随所に間接照明を配置。「メンタルヘルスの木曜日」を設け、ヨガや呼吸法、グループ・ウォーキングといったオフィス全体のアクティビティーを導入するなど、温かみのあるオフィス作りを追求した。ロビーの階段の一段一段を彩る特注のペイントは、「レア」のヒーロー商品であるリキッドチーク“ソフト ピンチ リキッド ブラッシュ”コレクションの色合いを反映している。

「グロシエ」

米国発D2Cビューティブランド「グロシエ(GLOSSIER)」のオフィスは、ニューヨークのソーホーに位置する。同市を拠点に活動する建築家のラファエル・デ・カルデナス(Rafael de Cardenas)がオフィスのクリエイティブを担当。布張りのソファーにも見られるピンクを基調に、天井の配管や花瓶に生けた花などで赤のアクセントを加えた。美と快適さを追求した、ミニマルでリラックスできるデザインに仕上げ、ブランドのシグネチャーと伝統を反映した。

自然光が差し込むラウンジは、社員が食事を取ったり、会議に使用したりするだけでなく、正面に設置した小さなステージを活用して、スピーカーを招いたセッションを開くなど、さまざまな用途で使用している。エントランス付近には、今やブランドを象徴するピンクのバブルラップでできたポーチの試作品や、フレグランス“グロシエ ユー”のボトルの粘土型などを展示。空間の至るところでブランドの歴史を感じられる工夫を施した。

会議室にはビヨンセ(Byonce)やシェール(Cher)、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)ら、実績のある女性の名前を付けた。また、主要なワークスペースの壁一面には、「グロシエ」に届いたファンレターを展示している。

「ヴィオレット_FR」

21年から「ゲラン(GUERLAIN)」のメイクアップ クリエイティブ ディレクターを務めるヴィオレット・セラ(Violette Serrat)による自身のブランド「ヴィオレット_FR(VIOLETTE_FR)」は、ニューヨークのブルックリンにオフィスを構える。

オフィスの装飾には、ビンテージを好む彼女のスタイルが表れる。小物やムードボード、パリ風の壁面モールディングは、ブランドの芸術的・文化的遺産を表現するために重要。セラは、「私の頭の中をオフィス空間として表現することで、コミュニケーションがより取りやすくなっている。自分のクリエイティビティーに即座にアクセスできるから」と話す。

日本の蚤の市で何年もかけて収集した、数えきれないほどの乾燥粉末顔料の瓶や、デスクに置いた20本以上の絵筆など、オフィスというよりアーティストのアトリエのような趣だ。エントランス付近の小さなガラス製キャビネット“好奇心のキャビネット”には、インスピレーションを与えた歴史的資料や色見本などを展示。また、セラのオフィスにあるキャビネットには、3in1スキンケア“ブーム ブーム ミルク”の2代目パッケージの着想源になった、蚤の市で見つけた万華鏡や、フランスの伝統的なブランドのビンテージの化粧品パッケージ、花の図鑑などを収めている。

「ジ・アウトセット」

米国の俳優スカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)が手掛けるスキンケアブランド「ジ・アウトセット(THE OUTSET)」のオフィスは、「グロシエ」と同様ニューヨークのソーホーに立つ。

ブランド・マネジャーのローレライ・オルフェオ(Lorelei Orfeo)は、「エントランスは、ショールームのような役割を果たしている」と話す。定期的にSNSをチェックしている美容愛好家にとっては、見慣れた光景だろう。TikTokのライブ配信など、多くのコンテンツをここで制作しており、特にコニャック色のヌメ革製のソファーは、ファンの間で有名になっているという。

商品のサンプルや書籍などの間には、ヨハンソンの等身大パネルを設置。ヨハンソンがテレビ番組「グッドモーニングアメリカ」の撮影で不在の時に、「私たちにはスカーレットが必要だ」と思い制作したそう。そのほかにも、壁一面に貼った過去のキャンペーン画像や、会議室の目玉となっているヨハンソン私物のダイニングテーブルなど、ヨハンソンの不在時にも彼女の精神を感じられるような工夫を施している。

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