コーチは全世界で従業員300人をリストラし、経営幹部のスリム化を図る予定だ。これは同社が2017年度の「コーチ」の営業収益率を20%まで引き上げる計画の一環で、全世界の総合職の10%、全従業員の2%に値する。1〜3月期は中国本土と欧州をはじめ、日本およびアジア各国で売り上げが伸び、2ケタの増収増益を記録したタイミングでの発表だ。
その結果、ゲプハルト・F・ライナー=社長兼最高執行責任者およびデビッド・デュプランティス=グローバルマーケティング兼デジタル&カスタマー・エクスペリエンス担当プレジデントが退任した。また、アンドレ・コーエンが北米卸売り事業、グローバルマーケティング、カスタマー・エクスペリエンス&デジタルを新たに担い、北米事業およびグローバルマーケティング担当プレジデントに昇格。トッド・カーンはIT、サプライチェーン、グローバルエンバイロメント&プロキュアメントを担い、プレジデント兼最高総務責任者、ダイアン・マハディーが「コーチ」グローバル ヘッド オブ マーチャンダイジングに昇格した。
同社は人員削減の他、減価償却や情報テクノロジーシステムとグローバルサプライチェーンの更新、店舗ロケーションの改善をスタートしており、これに税引き前費用6500万〜8000万ドル(約71億5000万〜88億円)を投じる予定だ。ビクター・ルイス最高経営責任者(CEO)は「この組織改革によりコーチはスリムで経営が効率的な企業になり、今までより幅広い責任を担い、マーチャンダイジングとマーケティングにおいて全世界で統一されたメッセージを届けることができるようになる」と語った。また、ここ数年は「コーチ」をモダンにアップデートすることに注力してきたが、次のステップは組織を改革し、アクセサリーブランドの小売モデルからグローバルブランドの小売モデルにシフトすることだという。
また、同社は組織をスリム化することによって今後訪れるビジネスチャンスにも素早く対応できるという。ハンドバッグ、シューズ、アウターの3つのカテゴリーを強化する計画だ。ルイスCEOはアウターは長期的にポテンシャルを見込んでいるカテゴリーだと語り、「機会があれば事業拡大のために他社の買収も考えている」と述べる。