松屋銀座本店は、夏のクリアランスセールの開始日を7月19日に後ろ倒しする。例年は6月末のため3週間遅れとなる。百貨店のセール開始は6月末が定着しているが、消費者が夏物衣料を本格的に求めるタイミングでの値引きを見直す。
松屋はセール後ろ倒しの狙いについて「気候変動による夏の長期化と、取引先のアパレルの状況を鑑み、適切なタイミングまで適正な価格で売るよう改めた」(広報担当)と述べる。気温が上昇する前に夏物をセールにかけてしまう従来のやり方では、セール前にプロパー(正価)での買い控えが起きてしまう。またコロナ以降、アパレルメーカーが生産数量を抑制するようになったため、十分なセール対象品が確保できなくなっている事情もある。「アパレルが夏物や晩夏物をプロパーで売る姿勢を明確にしている。その結果、セール対象品は春物の割合が増えており、今の(6月末開始の)夏のセールは実態に合わない」と話す。