メンズ最大の見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO、以下、ピッティ)」が、イタリア・フィレンツェで4日間にわたって開催された。新しいアクションを起こそうとしていた前回に比べ、今回はやや無難にまとまった印象だ。過渡期を迎えている合同展ビジネスの、向かう先を考える。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月8日号からの抜粋です)
来場者2000人減、必要な新施策
106回目を迎えた2025年春夏シーズンの「ピッティ」は、“レモン”をテーマに若々しいイメージの発信を狙った。しかし総来場者数は約1万5000人で、1年前から2000人減り、来場バイヤーは約1万1500人で1年前から500人減少。外国人比率は46%で、地元イタリアのバイヤーも前回から7%減少したという。運営者はイタリア国内の消費が活発でなかったことを要因の一つに挙げており、今回は数字的にも厳しい結果だったと言わざるを得ない。最もにぎわう初日と2日目でさえ閑散とした時間帯があり、1年前のような活気を感じられなかったのが正直なところだ。
近年は「ラルディーニ(LARDINI)」「タリアトーレ(TAGLIATORE)」「PT」など地元有力ブランドの離脱が続き、 出展ブランドの幅が拡大。かつての“イタリアン・クラシコの祭典”イメージから前進するため、古着やペット、新鋭ブランドを集積する企画を次々に打ち出していた。賛否両論ありながらも「変わる」という意思を強く示していたのは好感だった。しかし今回はそれらを継続せず、ケリングのサポートによる、若手デザイナーとサステナビリティに特化した企画“エス・スタイル”を復活させたものの、代わりの新企画はほぼなかったといっていい。常連出展者の日本ブランド「フジタカ(FUJITAKA)」や「イキジ(IKIJI)」「ディーベック(D-VEC)」も、いつもより手応えを感じられなかったという。
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