ドイツの不織布大手のフロイデンベルグと東レは、芯地大手の日本バイリーンに対し、総額351億円を投じ、株式の公開買付け(TOB)を行う。日本バイリーンは1960年にフロイデンベルグと大日本インキ(現DIC)、東レの3社で設立。その後、大日本インキが持ち株を売却し、現在はフロイデンベルグが33.4%で筆頭株主、東レが17.49%を所有していた。
当初スーツの芯地が主力事業だったが、現在ではエアコンのエアフィルターや自動車用マット、バッテリーセパレーターなどに広がっており、生産拠点も日本をはじめ、米国、中国にフロイデンベルグとの合弁工場を構えている。TOBにより、経営判断のスピードと柔軟性を高める狙いがある。TOBが成功すると、フロイデンベルグが75%、東レが25%の出資比率になる。
買い取り価額は1株1200円。8月10日の同社の株価は1039円のストップ高で取引を終えている。