J.フロントリテイリングの2015年3〜8月期連結決算は、営業利益が前年同期比118.0%の217億円と中間期として4年連続の最高益更新になった。主力の百貨店事業は、昨年の消費増税前の駆け込み需要が大きかった3月は大幅減になったものの、4月以降は増収基調に回復した。子会社のパルコの福岡と名古屋の増床も貢献した。売上高は同102.8%の5733億円。増収に加え、販管費率を0.8ポイント圧縮したことも増益につながった。
中核子会社の大丸松坂屋百貨店の売上高は、同102.1%の3323億円。引き続き富裕層とインバウンド客がけん引しており、恩恵を受けられる都心店と受けられない地方店で明暗が分かれている。外商とインバウンドに強い大丸心斎橋店は、売上高が同115.2%の462億円だった。大丸松坂屋百貨店の免税売上高は前年同期に比べて4.5倍の181億円で、そのうち大丸心斎橋店が96億円を占めている。同店の売上高に占める免税シェアは2割を超えた。6日に会見した山本良一・社長は「海外のお客さまに日本の買い物のしやすさや魅力が浸透してきた。しばらくはこの流れが続く」と見る。大丸心斎橋店は年内で本館の営業終了し、建て替え工事に着手する。これを機に隣接する南館をインバウンド向け施設に刷新する。
同社は3〜8月期の好業績を受けて、通期の売上高と営業利益を上方修正する。修正後は売上高1兆1800億円(前期比102.7%)、営業利益470億円(同111.5%)。純利益は店舗建て替えなどの特別損失を計上するため、従来予想よりも25億円少ない255億円(同127.7%)に下方修正した。