毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月8日号からの抜粋です)
大塚:2025年春夏のメンズコレ特集第1弾は、今季最大の話題だったドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)の引退コレクションを表紙からフィーチャーします。すでにウェブ記事でも詳報していますが、“集大成”や“ベストアルバム”的なコレクションではなく、本当にいつもと一緒。もっと涙涙なショーになるのかと思ったものの、フィナーレに登場したドリス本人もいつも通りで、「ブランドとして前に進みたい」という意思と潔さがカッコよかったです。
井上:ショーの前に1時間くらいレセプションの時間があり、送別会というより祝賀会みたいなハッピームード。その場にドリス本人もいて、みんながドリスに感謝を伝えようという雰囲気でした。
大塚:ウィメンズの関係者含めて1000人くらい招待されていましたが、皆「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」を着ていながら、ほとんどカブっていなかったのはさすがでした。僕も普段着ないようなスパンコールシャツを着て行ったら「あなたちょっと写真撮らせて」と声をかけてきた女性が、ダイアン・フォン・ファステンバーグ(Diane Von Furstenberg)でビックリ。デザイナーが会場にたくさん来ていて、アン・ドゥムルメステール(Ann Demulemeester)やクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)、ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)の姿も。ウワサではマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)も来ていたそうです。一緒に行った薮野(淳)記者と一緒に会場を5周くらい回って、デザイナー探しを楽しんでいました。
こちらも幸せを分けてもらった
井上:トム・ブラウン(Thom Brown)も来ていましたね。私は会場の巨大スクリーンに映し出された過去のショーの動画を見て、思い出に浸っていました。ショー終了後は速攻バックステージに行きましたが、本人もここまで祝福されると思っていなかったのか、感極まった様子で「とてもとても幸せ」と何度も言っていたのが印象的でした。こちらも幸せを分けてもらった感じで、本当にあたたかい時間でした。
大塚:このバトンを受け取る人はまぁまぁ大変だろうなと思いますね。後任は決まっておらず。次のウィメンズコレクションは新体制です。デザイナーとして引退するとはいえ、コレクションの監修はするそうですし、デザインチームでやるのが自然でしょうね。ビューティはドリス本人がやるし、店のデザインにも関わるそう。意外と何も変わらないのかもしれませんが、こういう節目に取材班3人とも呼んでもらえたのも、本当にうれしいことでした。