シップス(SHIPS)は2024年秋物から、20〜30代向けの新メンズレーベル「シティ アンビエント プロダクツ(CITY AMBIENT PRODUCTS )」(以下、CAP)の販売を始める。8月8日にオープンするレーベルサイトとシップスの一部店舗(20店)で取り扱う。若年層へのリーチと既存店の売り上げ拡大を目指し、目標売上高は24年秋冬で4億円、立ち上げから1年で10億円を掲げる。強みはターゲット世代で、同ブランドのディレクターを務める29歳社員、瀬谷俊法の等身大の感性だ。
瀬谷ディレクターは18歳から店頭スタッフでアルバイトとして経験を積み、現在はシップスのバイヤーを務める。瀬谷ディレクターは、「僕たちの世代は古着か、背伸びしてラグジュアリーブランドを買うか。その間の選択肢が少ないと感じていた。セレクトショップの全盛期を知らない同世代がふらっと店に立ち寄った時に、直感的にいいなと思えるものに出合えるレーベルにしていきたい」と話す。
同社は若年層向けレーベル「シップス ジェットブルー」を2018年に終了している。「シップス ジェットブルー」に替わる「CAP」では、あえて「シップス」の名前は出さずに異なる世界観を前面に出した。ファーストシーズンは約50型企画。瀬谷ディレクターが好きなアンビエント・ミュージックに通ずるミニマルなムードが着想源だ。ブランド名の頭文字CAPを流線的なフォントに落とし込んだロゴをプリントしたTシャツやビーニーなどのロゴアイテムをシグネチャーとして打ち出す。ミニマルな世界観に映えるライムグリーンをレーベルのキーカラーに採用し、ファーストシーズンはジップアップパーカやビーニー、ショッパーのトートバッグなどに落とし込んだ。一推しアウターのスタンドカラーのボンバージャケット(1万7600円)。シガレットポケットを付けずに削ぎ落としたデザインにこだわった。「着る人を選ばず、ユニセックスで楽しんでもらいたい」と瀬谷バイヤー。価格帯はカットソー4500円~、ボトムス9000円〜、アウター1万5000~とシップスの3割程度に抑えた。
仕入れアイテムは全体の2割程度。スウェーデン発の「セファ(SEFR)」や米百貨店のJ.C.ペニーのプライベートブランド「タウンクラフト(TOWN CRAFT)」など「今取り入れたい気分のブランドを柔軟に取り入れた」。
シーズンビジュアルも同世代のクリエイターと作り上げた。瀬谷ディレクター「ルーツを大事にするシップスがすごく好きだからこそ、それを今っぽい表現でより広く届けていきたい。CAPでは本当にやりたかったことを発信できた」と達成感を滲ませる。ゆくゆくは単独店の出店も視野に入れるという。