伊藤忠商事は7月18日から、東京本社(東京・青山)に隣接する「ITOCHU SDGs STUDIO」に、繊維カンパニーから食料カンパニー、第8カンパニー(ファミリーマート主管部門)まで全8部門のSDGsの取り組みを紹介する「地球のあした観測所」をオープンする。「地球全体の課題を、当社の事業と絡めながら提示することで、来場者に課題をどう解決していくのか、その手がかりを提供したい」(同社広報)という。繊維事業であれば繊維to繊維のポリエステルのケミカルリサイクル事業「レニュー」など各部門の取り組みを映像中心のブース形式で紹介するとともに、「アップル・ビジョン・プロ(Apple Vision Pro)」を使った没入型のプレゼンテーションに加え、デジタル地球儀などのインタラクティブな展示もあり、子どもが体験しながら理解できるようになっている。「ITOCHU SDGs STUDIO」は期間限定のイベントが中心だったが、この「地球のあした観測所」は常設型の展示になる。
繊維カンパニーは「レニュー」のほか、混紡素材などの天然繊維と合繊がミックスされ循環型のリサイクルが難しい製品を、ガス化して化学品原料などとして再利用する「アルケミアプロジェクト」を紹介する。「アルケミアプロジェクト」は使用済みプラスチックをガス化することで再資源化するもので、通常の化石燃料に比べて80%以上の二酸化炭素の排出量を削減できるもの。繊維カンパニーが主導する衣料分野では企業ユニフォームの回収などを中心に10社がすでに参加しており、「現在は100社近くが検討している」(同社担当者)という。