中国政府による綿花の備蓄が急激に拡大している。このほど来日した米国最大の綿花生産者団体CCIのケビン・ラトナー専務理事によると、「中国政府は綿花の備蓄を積極的に拡大させており、現在は全世界の6割、約1000万トンに達している。中国の生産者団体からは、中国国内の相場安定のためと説明を受けている」という。中国は綿花消費の35〜40%を占める世界最大の綿花消費国。中国政府の備蓄により、中国国内で流通する綿花が減少し、海外に比べても価格が割高になり、中国のテキスタイルメーカーによる海外糸の輸入が急増している。
綿花の在庫は世界的に増加しており、2013年末の推定在庫量は、一昨年の過去最高の水準を3割近く上回る見通し。ただ、「今年度一杯は中国政府の備蓄政策が続くため、綿花の価格は安定して推移しそうだ」(同)という。