政府が500億円、民間企業が100億円(現在は15社75億円)を出資する官民ファンドのクール・ジャパンファンドが本格的に活動を開始する。ファッションや食、日用品など日本の優れたソフトコンテンツを海外に輸出するため、民間企業と組んで、アジアを始めとした海外に商業施設の開発やウェブサイトを構築する。松屋の常務執行役員から同ファンドに転じた太田伸之・社長は、「ファッション一筋できたが、世界と戦ってきた経験を生かしたい。これまで個々に海外に進出する企業はあったが、"儲ける"のが難しかった。官民ファンドならではの中長期的な視点で、種をまき、芽が出て、根を張るまで、一緒になって海外進出を支援したい」と意気込む。
同ファンドにはすでに100件以上の投資オファーがあるが、「来年3月までには第1号案件を固めたい。大事なのは、ファッション、食、イベント、物販、映像などのコンテンツを集めつつ"日本のかっこいい暮らし"をきちんと伝えること。そのために空中戦と地上戦用のプラットフォームを作る。例えば空中ではケーブルテレビで3つくらいの専用チャンネルを作って日本の硬派なニュースやドキュメンタリー、娯楽、映画・アニメを一日中流し、一方地上では日本の面白い文具や食器、ファッションを集積した商業施設を作る。進出先は、まだ決めてはないがまずはアジアが有力」という。
【インタビュー後編】クール・ジャパンファンド600億円の使い道を太田社長に直撃!
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