伊勢半のコスメブランド「ヒロインメイク(HEROINE MAKE)」のキャラクター、エリザベート・姫子(以下、姫子)がVTuberになり、「コスメヲタちゃんねるサラ」のYouTubeチャンネルに初登場。姫子なりきりメイクをするサラとの掛け合いで、メイクのポイントをアドバイスするなどした。
LVMHのバーチャルアンバサダー・リヴィや「ファッションセンターしまむら」のAIモデル・るななど、架空のキャラクターがデジタル上で活躍し始めているが、ファッション&ビューティ業界で公式VTuberが誕生するケースは珍しい。その意図と経緯とは?伊勢半の松本智子コミュニケーション本部広報宣伝部部長に聞いた。
姫子は2005年2月、「ヒロインメイク」誕生と共に生まれた。当時の担当社員が姫子のイメージをイラストに起こし提案。美について悩む人間界の女の子に「あなたはもっと美しくなれるのです!」と美の王国のアイテムと経典と「掟」を伝授する王女と設定し、「ヒロインメイク」のミューズとして打ち出している。
「来年20周年を迎えるにあたって、『ヒロインメイク』のアセットとは何だろうと再整理した時に、『ヒロインメイク』をもっと『ヒロインメイク』化しようという結論に至った」と松本部長。「ミューズとしての姫子のプレゼンスを上げていこうと。ただし、古臭く見えないように、令和のフォーマットで。かつファン化を目指そうと決めた」。
まずは5月に姫子のトリビア動画をSNSに投稿。しかし「メーカーが思っている以上にユーザーに設定や背景が認知されていないことが分かった」という。「そこを真摯に受け止めつつ、もっと現代的で、姫子コンテンツを自社で量産できる方法はないかと考えた」。
そこでたどり着いたのが動く姫子、つまりVTuber化だ。XRクリエイティブスタジオのGugenka(三上昌史CEO)と協業し、姫子を2Dモデルに。Live2Dキャラクターとしてカメラの前にいる人の表情や口の動きをリアルタイムでミラーリングするようにした。
また、声にはAI音声システムを導入。姫子の声に合う声優を起用し、姫子口調とボキャブラリーの音声をAIに学習させ、専用アプリにテキストを入力すれば、その声と口調で発話する。
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