セイコーグループの和光は7月20日、銀座にある和光本店の地下を改装し、リニューアルオープンする。これまで雑貨を扱ってきたフロアを全面改装。衣食住を問わず、日本の良いものが銀座で一堂に揃うフロアを目指す。
地下のコンセプトは、「時の舞台」。伝統と革新が共鳴する文化の発信地、交流の場を目指して、杉本博司と榊田倫之が主宰する新素材研究所が空間デザインを担当した。フロアの中央には時計の長針と短針に見立てた回転するテーブルをもうけ、床には京都の町屋で使われた石を再利用した。この空間では、まずは和光特別ブレンドウイスキー「ヤマザクラ ピュア モルト ウイスキー スペシャリー ボトル フォー 和光」(6万6000円)を300本限定で販売する。
ファッションでは、日本を代表するアップカミングな「CFCL」「セッチュウ(SETCHU)」などを販売。このほか、京都の履物屋が始めたバッグブランドの「ビョウ(BYYO)」、同じくバッグの「コーネリアン タウラス バイ ダイスケ イワナガ(CORNELIAN TAURUS BY DAISUKE IWANAGA)」、帽子の「キジマタカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)」、ゴールドウインが外部クリエイターとの協業を通して革新を図る「ゴールドウイン ゼロ(GOLDWIN 0)」などのほか、フランスのジュエリーブランド「シャルロット シェネ(CHARLOTTE CHESNAIS)」やコットン&リネンのキャンバスを用いるバッグや雑貨ブランドの「リュニフォーム(L/UNIFORM)」などを販売。バイイングには、海外ブランドの卸やPRを手掛けるエドストロームオフィスが参画した。
和光の庭崎紀代子社長は、「1932年竣工の和光は、レコードや蓄音機など憧れの商品を販売し、新しいライフスタイルや価値観を発信してきた。創業時の精神を現代風に解釈し、日本の文化、技術、美意識、感性を発信する場として生まれ変わる。和光にとってのグローバル化とは、海外に出ていくのではなく、世界中の人々が和光を目指し、銀座に来ていただくこと。豊かな日本文化、おもてなしが体感できる、多くの人が交流できる場を設けたい」と話した。
セイコーの新プロジェクト「ザ ギフト オブ タイム」が始動
「時の舞台」をコンセプトとする和光の地下の刷新は、7月18日にセイコーがグループ全体で取り組むと発表した「ザ ギフト オブ タイム」というプロジェクトの一環だ。時とジャパン・ラグジュアリーの魅力を世界に発信する同プロジェクトでは、杉本のほか、建築家の隈研吾、文化庁長官の都倉俊一、歌手のMISIAと日本の豊かさや奥深さを探求。セイコーが日本のラグジュアリー文化に貢献してきた歴史を探る。服部真二セイコーグループ代表取締役会長兼グループCEOは、「セイコーの聖地、和光の地下リニューアルは、ザ ギフト オブ タイムの象徴。海外から高く評価されるクワイエット・ラグジュアリーを生み出す、日本ならではのおもてなしを体感してほしい」という。