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「ブルネロ クチネリ」が能登半島地震の被災地支援 輪島の漆職人招きイベント

ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」は7月13日に、能登半島地震で被災した石川・輪島の漆職人を招いたトークイベントを表参道店で開催した。輪島塗の漆器販売を手掛ける千舟堂岡垣漆器店の協力のもと、地下2階のギャラリースペースでは漆器作品を8月31日まで展示販売し、職人たちの支援につなげる。

今年1月に発生した能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島は、日本三大漆器と称される輪島塗の文化が受け継がれてきた。宮川ダビデ=ブルネロ クチネリ ジャパン社長は都内で開かれた展示会をきっかけに輪島塗に関心を持った。「現地では、もう一度製作をスタートするには時間がかかるので再開を諦めざるを得ない状況だと聞いた。職人を大切にする私たちだからこそ、この素晴らしい文化を継承する支援をしたいと思った」と話す。

実際に現地に訪れ、職人たちと交流するなかで「作品のすばらしさだけでなく、皆さんの人柄にも惹かれ支援したいという気持ちがさらに強くなった」という。イベントでは、現地の様子を動画で流し、「地震発生から約半年が経った今もまだまだ支援が必要な状況だ」と観客に投げかけた。

イベント冒頭では、千舟堂岡垣漆器店の岡垣祐吾社長が輪島塗について解説した。江戸時代に確立したと言われる輪島塗は、124の工程が全て手仕事で行われる。それぞれの工程に特化した職人が手掛けているのも特徴だ。「これまで各工程でレベルの高いモノ作りができる分業制は強みだと思っていた。しかし今、仕事ができない状況の職人さんもいるなかで、分業制が再開に向けての1つの壁になっている」と話す。岡垣社長によると、徐々に復興は進んでいるものの、まだ断水が続いていたり、半壊した家の中で作業を強いられていたりする職人たちも多くいるという。

「今必要なのは、安心して作業に取り組める環境と皆さまからの温かいメッセージだ。お金や物資ももちろんありがたいが、職人たちはお客さまからのご感想や叱咤激励が一番励みになる」と岡垣社長。トークセッション後半では、震災発生後もモノ作りを続ける塗り師の余門晴彦さんと蒔絵師の代田和哉さんが、作業の一部を実演して見せるなどした。

「ブルネロ クチネリ」は、今後もさまざまな形で輪島の支援を継続する方針だ。8月には社員参加型で能登で行われるキリコ祭りの現地ボランティアを行う予定だという。

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