TSIホールディングスは、傘下の東京スタイルのリストラを加速する。正社員(販売職を除く)を対象に90人程度の早期退職を実施する。今年7月に設立したばかりのベトナム工場を売却する。岩手県にある孫会社の縫製工場、東京スタイルソーイング盛岡は解散する。TSIは一連のリストラによって2013年2月期の業績予想を、純損失19億6000万円(当初予想は純損失16億円)に下方修正する。ケイト・スペード・ジャパン株式の売却益の見込み額が18億円から27億円に増えたが、特別損失として早期退職の実施で6億円、ベトナム工場の売却で6億6000万円の発生がそれぞれ見込まれるため赤字幅が拡大した。
TSIは今期から「聖域なき構造改革」を掲げ、収益悪化の主因である東京スタイルのリストラに取り組んでいる。上期・下期あわせて350前後の低収益・不採算店を閉鎖するとともに、上期には「ケイタ マルヤマ トウキョウ パリス」を含め4ブランドの販売を止めた。自社物件だった札幌、大阪、福岡の各支店は売却。国内に4工場あった縫製子会社のうち、すでに東京スタイルソーイング宇都宮を12月末で解散すると発表し、今回の盛岡の閉鎖で2工場に集約される。売却を決めたベトナムの工場は約10億円を投じ、年間40万着の生産を目指して稼働して5ヵ月足らずだった。