ビューティ
連載 齋藤薫のビューティ業界へのオピニオン

美容医療のトラブル急増でもその裏にある、さらに不都合な二つの真実

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「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へのオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月22日号からの抜粋です)

「手術を受けたくても受けられない」――。これが今、大きな社会問題になりつつあるという。医学はどんどん進歩し、例えばガンは治せる病気になっているにもかかわらず、命に関わる手術が受けられないとしたら、それは一体なぜなのか?

実はこれ、ズバリ深刻な外科医不足が原因。なんと20年間で外科医の数が2分の1、実に1万人も減ってしまったというのだ。医者そのものの数が減っているわけではないが、外科医の数が特に激減しているというのは、どういうことなのか?

その要因については、当然のことながらいろんなリスクが伴う上に、勤務が過酷であること、経験がモノをいうのに報酬が見合っていないなどが挙げられるが、新たに問題視しなければいけないことがある。外科医が美容外科に流れているのでは?という懸念である。美容外科医の数は、約10年間でなんと3倍にもなっている。厚労省調べの2022年までの結果だから、この数年さらに激増しているに違いない。これはどう見ても外科医を志す人が、途中でケタ違いにもうかる美容外科に移行している結果に他ならない。

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