クラランス・グループの新CEOにジョナサン・ズリヘン(Zrihen)COOが就任する。フィリップ・シーラー現CEOは退任し、アメリカに戻って教鞭をとるなど、新しいプロジェクトに関わるという。「アメリカに戻って子どもと一緒に暮らしたいというフィリップの申し出を受け入れた。彼が我々のブランドに対して尽力してくれたことに感謝したい」とクリスチャン・クルタン・クラランス会長はコメント。「引き続き、世界におけるスキンケアのリーディングカンパニーにクラランスがなるべく、これまでの戦略を遂行していく」。
シーラー現CEOがエスティ ローダー カンパニーのグループ プレジデントを経て、クラランス・グループのCEOに就任したのは2008年のことだった。WWDが毎年集計しているトップ100によると、クラランス・グループは世界で27番目の売り上げを誇り、14年度は前年比101.2%の13億1000万ユーロ(約1755億4000万円)だった。ユーロモニターの調べでは、14年、クラランスの売り上げはプレミアム化粧品市場で2.2%、フレグランスでは1.2%を占める。
ズリヘン新CEOを見出したのは、クリスチャンの父親であるジャック・クルタン・クラランス創業者だ。1993年、パリのオフィスでマーケティングのインターンとして雇ったのがジャックだった。そこから、ズリヘン新CEOはインターナショナル部門を統括するようになり、99年にアジア・パシフィックのヴァイス・プレジデント、2004年にカナダ支社長、06年からアメリカ支社長、09年からは北米統括を務めた。今年2月、新設のポストであるCOOに就任すると同時に取締役にもなり、グローバルを統括するCEO的な役割も果たしてきた。「ジョナサンは長年我々のビジネスに関わってきた。まるで兄弟のような存在だ」とクリスチャン。