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特集 “個性”が広げる百貨店の可能性 第10回

大丸松坂屋・宗森社長「人の“好き”が百貨店の価値を高める」

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PROFILE: 宗森耕二/大丸松坂屋百貨店社長

宗森耕二/大丸松坂屋百貨店社長
PROFILE: (むねもり・こうじ)明治大学商学部卒業後、1998年大丸入社。大丸東京店、大丸京都店で営業マネジャーを経て、2019年松坂屋上野店長。その後20年に執行役員 大丸大阪・梅田店長事務管掌、営業本部MDコンテンツ開発第1部長事務管掌を経て24年3月から現職 PHOTO:TAMEKI OSHIRO

今年3月に大丸松坂屋百貨店のトップに就任した宗森耕二社長は、49歳の若さと食品畑出身という異例づくめで業界を驚かせた。同じタイミングで親会社J.フロント リテイリングの社長に就いた小野圭一氏は、同期入社の気が知れた間柄だ。両社長で一枚岩となり、「百貨店はこうあるべき」に縛られない改革を進める。情熱を傾けるのは「ローカル」の発掘、新カテゴリーの取引先開拓、そして社の未来を担う人材の獲得だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年7月22日号からの抜粋です)

WWD:就任後、まず着手しているのは?

宗森耕二社長(以下、宗森):急激に伸びたインバウンドのお客さまへの対応が最優先事項だ。中国人のお客さまの本格回帰はまだだし、この勢いはしばらく衰えることはないだろう。東京、大阪がオーバーツーリズムの中で、訪日客はそれ以外の都市や地方にも流れていく。すると当社の15店舗の立地優位性がさらに生きてくる。心斎橋、銀座(ギンザ シックス)というインバウンドのホットスポットにある館だけでなく、大丸神戸店、松坂屋名古屋店などはもっとポテンシャルを発揮できる。松坂屋名古屋店はすでに北館において、海外のお客さまに人気の時計、ラグジュアリーを強化したが、改装中の本館の中身も大きく変えていく。

WWD:海外VIPの囲い込みは進んでいる?

宗森:インバウンド客向けのアプリはあっても、個別情報を収集・管理することによる「識別顧客化」はまだだ。まずは大丸心斎橋店から着手する。海外富裕層への聞き取りも実施し、ニーズやインサイトを探っている。中国であればウィーチャット、アメリカであればフェイスブックといったふうに、国によってデジタルコミュニケーションのツールが違う。あらゆる海外のお客さま向け情報を集約したホームページを構築したいと考えている。富裕層ビジネスに強い海外企業と手を組み、相互送客も検討する。

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