「WWDジャパン」は日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)と共同で、"儲かる直営ECの作り方"をテーマにしたファッションECセミナーを開催した。これはJAFICが7月30日にカラート代官山で実施した、大手アパレルとデザイナーのマッチングイベント「JAFICプラットフォーム プレゼンテーション」と同時開催。同イベントにはJAFIC理事長の廣内武オンワードホールディングス会長やオンワード樫山の馬場昭典・社長を始め、アパレルの幹部が多く訪れた。
セミナーはハイエンドでエッジの効いたアイテムを世界中で販売する「ファーフェッチ」を展開する石渡万希子ファーフェッチ ジャパン代表を始め、SNSを使ったファッション系のプロモーションを先駆的に仕掛けてきたナカヤマン。ドレスイング代表、ファッションECのフルフィルメントの日本最大手の今井貴志ダイアモンドヘッド取締役ら、ファッションECの第一線で活躍するプロ・企業が登場した。会場には、ラグジュアリー・ブランドから百貨店、セレクトショップ、大手アパレルのEC担当者、デザイナーズブランドのデザイナーら115人が詰めかけ、トークセッションに聞き入った。
ファーストセッションに登場し、「越境ECの考慮すべき点」と題したセッションを行った石渡万希子ファーフェッチ ジャパン代表は、「海外で直営ECを展開するには、単に言語対応するだけでなく、システムからプロモーション、販売まで日本の直営ECを運営するのとほぼ同じ手間やノウハウが必要になり、しかも現地の法制度や通貨、決済方法などにも対応しなければならない」と指摘。そうしたインフラを備えた「ファーフェッチ」を活用することで、「いいものを世界に届け、かつブランドにも新しいルートを開拓できる」と語った。
2番目に登場したナカヤマン。ドレスイング代表は、「今はインスタグラムやツイッターなど、一つのSNSだけを頑張って使っても意味が無いし、全部を頑張るのも無理。用途ややりたいことに応じて、しかも効率よく活用する時代」と語り、「美的」のラインスタンプや「エモダ」のツイッターなど、自ら手掛けた実際の事例を用いて説明した。SNS施策は「WWDジャパン」7月27日号のEC特集内で実施したアンケートでも、EC担当者の8割近くが頭を悩ませているテーマで、多くの来場者が熱心に聞き入った。
3番目に登場した今井貴志ダイアモンドヘッド取締役は「在庫連携システムが自社ECをもっと強くする」をテーマに、自社ECとECモール、自社ECと実店舗との在庫連携を、豊富な実際の運用実績とともに、メリットを紹介。「在庫連携をシステム化することで、ECモールの効率的な活用やEC業務の効率化に加え、ブランドの世界観の表現力のアップなどにも繋がる」と指摘。実店舗との在庫連携についても、「一度にシステム化しなくても、手動でも実行することで、目に見えて成果は上がる。そうした地道な実績を積み上げていくことが重要だ」と語った。
■「WWDジャパン」主催 ECセミナー
セミナー名:もっと知りたいファッションECセミナー
司会:向千鶴「WWDジャパン」編集長
14時30分:開場
15時:越境ECの考慮すべき点/石渡万希子ファーフェッチ ジャパン代表
16時:twitter、Facebook、Instagramに踊らされていませんか?本当のSNS活用とは/ナカヤマン。ドレスイング代表
17時:在庫連携システムが自社ECをもっと強くする/ダイアモンドヘッド
■イベント概要
イベント名:JAFIC PLATFORM PRESENTATION 2015
日時:2015年7月30日(木曜日)13時〜
場所:代官山カラート71(渋谷区鉢山町13-7)
対象:ファッション業界関係者の方