ECサイトのファーフェッチ(Farfetch)は5月12日、英セレクトショップのブラウンズ買収を発表した。ファーフェッチが目指す長期的なオムニチャネル化の一環として、創業45年のブラウンズが持つ実店舗の販売ノウハウを吸収する狙いだ。EC企業がセレクトショップを買収する事例は珍しく、ブラウンズはファーフェッチが持つ世界的な情報基盤を軸として、さらなるビジネス拡大を目指す。
ジョゼ・ネヴェス=ファーフェッチ創業者兼最高経営責任者は、「5年後、10年後に消費者がどのようにラグジュアリー・ファッションを購入しているかを常に考えている。その答えは必ずしもオンラインだけではないだろう。今後は安定したテクノロジーに加え、顧客とのコミュニケーションも必要になる。そのためにブラウンズは最良のパートナーだ」と語る。
また、ファーフェッチはテクノロジー面を強化するための新プロジェクト「ストア オブ ザ フューチャー」を発足。ブラウンズとともに実店舗を交えた新しい事業形態のテストケースとして、さまざまな開発に着手するという。
08年に創業したファーフェッチは世界中のセレクトショップから買い物ができるECサイトとして、パリやニューヨーク、ミラノ、ブカレストなど300以上のショップのアイテムを扱ってきた。ブラウンズも2年前に取り扱いがはじまったばかり。14年8月には日本語版サイトがスタートし、10月にリステア(RESTIR)が日本初のセレクトショップとして参加している。