CRMの世界最大手企業のセールスフォースは、クラウド型のECプラットフォーム企業のデマンドウェアを買収する。買収金額は約3000億円。セールスフォースは、ビッグデータやスマホを経由したIoT(モノのインターネット化)テクノロジーの開発に力を入れており、クラウド型のECシステムで成長著しいデマンドウェアを取り込むことで、消費者とのワン・トゥー・ワンのサービスを拡充する考え。ECだけでなく、店頭も含めたプロモーションや顧客管理などの商取引全般のデジタル化が進む中で、有力企業の合従連衡が進んできた。
ECのプラットフォームには、ECの運営会社が提供されたソフトウエアを端末にダウンロードし、自社でサーバーを立てるパッケージ型と、システムをネットを経由して利用するクラウド型の2つがある。ネットの技術は日進月歩で進化する一方で、パッケージ型の場合はバージョンアップごとに膨大なアップデート費用が必要になるため、常に最新のテクノロジーやサービスを利用できるクラウド型がここ最近は注目を集めている。
日本では昨年12月に、デマンドウェアと、ECの受託運営会社大手のダイアモンドヘッドとルビー・グループの2社が提携を発表。日本でも本格的にクラウド型の導入がスタートしていた。海外では「アディダス」「プーマ」「ラコステ」「ブルックスブラザーズ」「マークス&スペンサー」「ロレアル」などが導入している。
調査会社のガートナー社によると、世界全体のデジタルコマースに関するソフト費用は年率14%で拡大しており、2020年までに約9000億円に達する見込み。