イギリスのEU離脱決定を受け、27日の米国とイギリスの株式市場は混乱した。同日のダウ・ジョーンズ工業株価平均は一時350ドル値下がりし、260ドル51セント安い1万7140ドルで取引を終了した。S&P500の終値は35ドル安の2000ドル、ナスダック総合指数の終値は113ドル安の4594ドルだった。
米国のファッション関連株では「カルバン・クライン」「トミー ヒルフィガー」などを擁するPVHが9.2%安の84.91ドル、ケイト・スペードが5.8%安の18.85ドル、アバクロンビー&フィッチが5.5%安の16.80ドル、ティファニーが4.4%安の57.48ドル、マイケル・コースが3.1%安の46.19ドルだった。
イギリスの小売り、ラグジュアリー関連株も打撃を受け、値下がりの大きい銘柄では「スーパードライ極度乾燥(しなさい)」を手掛けるスーパーグループが20%安の11.84ポンド、「プライマーク」を展開するアソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズが15.3%安の23.50ポンド、マークス&スペンサーグループが12.6%安の2.85ポンド、テッドベーカーが18.3%安の21.24ポンドとなった。しかし28日の前場の取引ではアソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズが7.2%高となる25.20ポンド、マークス&スペンサーグループが5.2%高の3ポンドとそれぞれ反発している。
ポンド安とイギリスがEU加盟国をはじめとすると国々との貿易協定の交渉に失敗するという恐れから、アジアで調達・生産を行う多くのイギリスブランドは今後数カ月さらなる打撃を受けるとみられる。
ポンド下落により安全資産である金の価格が高騰している。金の価格は23日から24日にかけておよそ1250ドルから1350ドルまで高騰し、30日間で8%上昇している。ストラテジック・ゴールド・コーポレーションのデイヴィッド・ウィリアムス=ディレクターは「年末には、1オンス1400ドルまで達するだろう」と語り、米国大統領選までは金相場の不安定な状況が続くと予測している。
DEBRA BORCHARDT