法人向けケータリングや社員食堂の企画・運営をするノンピ(NONPI)は、人気料理家の寺井幸也が率いるYUKIYAMESHIを7月17日に子会社化し、寺井幸也YUKIYAMESHI取締役はノンピのCSSO(Chief Sustainability Story Officer)に就任した。ノンピは2024年2月からオイシックス・ラ・大地のグループ入りをしており、3社は今後、グループ会社としてサステナビリティの取り組み連携を強める。
YUKIYAMESHIは、ファッション業界ではよく知られた存在だ。特に、ファッション雑誌の撮影現場では、料理家・寺井による日本料理をベースとした華やかでおいしいケータリングや弁当が口コミで話題を呼び、"インスタ映えするケータリング"としても人気を広げてきた。また寺井はフードロスや容器ごみの問題を課題として、21年には包装容器のプラスチック使用量を容器全体の30%以下に定めるなどSDGsにつながるアクションを起こしてきた。一方ノンピは、法人向けケータリングサービスや社員食堂の事業を展開し、年間160万食の調理オペレーションと配送実績がある。同社は、日本の社員食堂・ケータリング企業として初めて温室効果ガスの排出削減目標の認定「SBT」を取得したり、食べ残しを回収して液肥化して農場・食物へと循環させる「ゼロ・ウェイスト社食」を実験的に取り組み始めたりするなど、食とサステナビリティにつながる活動をさまざまに行なっている。
今後は、寺井がプロデュースする装飾つきケータリングを「サステナビリティ・ストーリー・テーブル」のサービス名でノンピが販売する。寺井はYUKIYAMESHI取締役とノンピCSSOという新職を兼務し、サステナビリティの課題に取り組みながら、食の背景を伝えるプロダクト作りに力を入れるという。オイシックス・ラ・大地が約4000の農家と直接取引する環境に配慮した食材を用いるなど3社の連携を生かしてゆく。YUKIYAMESHIがノンピの子会社となることについて寺井は「個人店の限界を超えて、社会に対してより大きなアクションを起こしていけると確信している」と説明。上形秀一郎ノンピ社長は、農家の高齢化などを課題にあげ「企業が社員食堂やケータリングにおいて良質な環境で育てた作物を正しい価格で仕入れ、提供していくことで、環境良し、社員の健康良しの関係を作り上げていく」としている。