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米「テバ」副社長が語る「トレイルランニング用サンダル」の可能性 

「サンダルの軽快さとトレイルランニングシューズの体験を融合させる」。こう話すのは、スポーツサンダル「テバ(TEVA)」を製造・販売する米デッカーズブランドのリー・コックス氏(テバ副社長兼ゼネラルマネージャー)である。6月に発売したトレイルランニング用サンダル“アベントレイル(メンズ、ウィメンズ各2万900円)”が売れている。発売2カ月足らずで早くも品薄になるほどの反響を得た。

整備されていない自然の山野を走るトレイルランニングシューズは、ランニングシューズのクッション性・反発性とトレッキングシューズの耐久性を掛け合わせて開発される。そこに「テバ」は、サンダルで軽快さを加えた。コンセプトは「つま先で、風を感じよう。」オープントゥのサンダル特有の開放感と新鮮さがランナーの心を捉える。

開発者は同じデッカーズブランド傘下の「ホカ(HOKA)」の創設者であるジャン・リュック・ディアード氏(イノベーション部門のグローバルVP)。トレランを知り尽くすディアード氏が「テバ」でサンダルのイノベーションに挑んだ。

過酷な山道を高速で走るトレランでのサンダル着用を、最新鋭のテクノロジーで可能にした。アッパー部分にはソールの下をぐるりと巻き込むWストラッピングシステム。足をしっかりとホールドし、安定したフィット感を提供する。反発性とクッション性に優れたハイパーコンフォテクノロジーのミッドソール、グリップ力に長けた独自のスパイダーラバーのアウトソールによって、下り坂でも十分なサポートを実現する。

日本のトレランの競技人口は約 20 万人と推定され、愛好者は増えている。地方での競技大会の新設も相次ぐ。デッカーズブランドの「ホカ」以外にも「サロモン」「アルトラ」、あるいは「ナイキ」「アディダス」といったブランドが激しい競争を繰り広げる市場だ。

「テバ」ではトレラン用サンダルという新ジャンルを確立すべく、マーケティングに力を入れる。リー・コックス氏は「実際のランナーがさまざまな地形でアベントレイルを使用する様子をリアルに紹介し、個人の目標や冒険を体験し達成するのを支援するかを伝える」と言う。

リー・コックス氏はデッカーズに入社する前は「イノヴェイト」「ニューバランス」「リーボック」で要職を歴任してきた。トライアスロン選手として世界的なレースに出場するアスリートとしての顔も持つ。そんな彼から見て、「テバ」のポテンシャルは大きく映る。「『テバ』はアウトドアに深く根付いており、さまざまなエキサイティングな冒険に対応する機能的なパフォーマンス製品を作ってきた」「トレイルランニング、ウォーターアクティビティー、キャンプでのリラックスシーンなど、あらゆる形の冒険にインスピレーションを与え、サポートするための製品を提供していきたい」と話す。

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