エイチ・ツー・オー リテイリングの2016年3月期は、売上高が前期比108.4%の9156億円、営業利益が同111.5%の238億円、純利益が同121.3%の140億円だった。2期連続で過去最高益を更新した。百貨店事業は同102.4%の4311億円で、阪急うめだ本店は同110.4%の2183億円(阪急メンズ大阪を含む)。免税売上高が80億円増の145億円に伸びたことや、富裕層による宝飾・時計の高額品売り上げが3割増加したこと、アッパーミドル層によるラグジュアリーブランドの服飾雑貨購買に支えられた。建て替え工事によって売り場面積が4割減少した阪神梅田本店は、同82.3%の589億円だった。
衣料品は婦人服が苦戦。荒木直也・阪急阪神百貨店社長は、昨年秋から順次行っている阪急うめだ本店の改装について「婦人服(3・4階)は改装によって、ファッション感度の高い若年層の新規顧客を取り込めている」と評価しながらも「前年の数字は確保しているが計画には届いていない。自主編集の品揃えと運営能力を高め、中間層の婦人服消費回復にもつなげたい」と続けた。9月に5階インターナショナルブティックスと、6階プレミアムクローゼット界隈の改装に着手する。
今期は売上高9300億円、営業利益250億円、純利益141億円を計画する。