ファッション

ワコールHDの15年3月期は減収減益 海外シェア拡大と新商材強化で巻き返し図る

 ワコールホールディングスの2015年3月期連結業績は、売上高が前期比99.0%の1917億円、営業利益が同51.1%の70億円だった。国内事業では、消費税増税後の買い控えや円安による物価上昇、ブラジャーの販売不振によって売り上げが低迷。販管費の削減や円安に伴う原価上昇を抑えるなど策を取ったものの、ピーチ・ジョン事業の公正価値の再評価した結果、60億円の減損損失を計上したため、営業利益は大幅に下回った。

 部門別ではピーチ・ジョン事業が足を引っ張った。同事業は国内直営店の売り上げは前年より伸びたものの、海外が苦戦した。ウェブ販売はアウターウエアと雑貨の販売が落ち込んだ。円安による原価率の上昇や、のれん及びその他の無形固定資産の減損損失の計上が重なり、営業損益は63億円の赤字(前期は8300万円の黒字)に転落した。塚本能交・社長は「(ピーチ・ジョン事業は)ムダを徹底的に省いて効率化を進め、新規顧客を取り込む。顧客の平均年齢は上がっており、母親になっているケースも多い。若年層とキャリア層、ママ層の3世代に向け、それぞれに適したアプローチを行う」と語った。

 一方、海外事業においては、主力アイテムのブラジャーが好調に推移。ウェブ販売も伸び、売上高が同110.0%の481億円になった。特に米国ワコールは、現地通貨ベースでも実績を上回り、売上高が同116.0%の181億円、営業利益が同141.0%の24億円に伸長した。

 今期(16年3月期)は、新商材投入強化や海外シェア拡大を進めるとともに、今年始動した三愛と三愛スタイルから譲り受けた水着及び下着事業を手掛ける子会社アイも新たな柱として事業育成を進める。連結で売上高2050億円、うち海外事業の売上高530億円、営業利益140億円を見込む。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。