三越伊勢丹ホールディングスの2016年3月期決算は、売上高が前期比101.2%の1兆2872億円、営業利益が同100.1%の331億円とほぼ横ばいだった。中核子会社の三越伊勢丹の売上高は衣料品で前年実績を割ったものの、インバウンドや富裕層に支えられた化粧品や美術・宝飾・貴金属が2ケタ増だった。国内百貨店の免税品売上高は同1.9倍の602億円だった。三越銀座店の免税売上高は同2.4倍の222億円に伸びた。一方でインバウンドや富裕層の恩恵が薄い地方店は苦戦している。
今期は売上高1兆3600万円、営業利益370億円を計画する。中間層の消費低迷の長期化に加え、頼みの綱だったインバウンドと富裕層も直近では失速している商況を受け、PB(プライベートブランド)の拡大など仕入れ構造改革を一層強化する。