ワコールホールディングスの16年3月期は、売上高が前期比105.8%の2029億円、営業利益が同195.8%の138億円、同社株主に帰属する当期純利益は同132.2%の111億円だった。前期に赤字を計上したピーチ・ジョン事業が黒字転換し、営業利益が大幅に回復。国内ワコール事業は、主力のブラジャーやシニア向けブランドが好調だったことや、直営店の「アンフィ」で「ゾゾタウン」をはじめとするECモールの売り上げが急成長した。売上高は同107.5%の1205億円、営業利益は同104.3%の88億円と増収増益だった。
前期に大規模な減損処理を行って62億円の営業赤字を計上したピーチ・ジョン事業は、2億円の営業黒字に転換した。売上高は同96.2%の111億円。国内では直営店の売り上げが伸びたものの、ECが苦戦した。海外は中国の他社ECサイトでの大幅な増収が直営店の不採算店舗撤退による増収をカバーした。
海外ワコール事業では、連結子会社のイヴィデン ユイットが4月に更生手続きを開始し「資産売却が上手くいかなければ、法的手続きをとる」と同社。フランスを中心とするユーロ圏の不振や経済不安、国内の消費の伸び悩みなどを見込み、今期は売上高を前年並みの2030億円、営業利益を同72.1%の100億円、当社株主に帰属する当期純利益を同89.6%の100億円で計画した。