カットソー生地メーカーのエイガールズは、人工タンパク質素材のスタートアップ企業スパイバーとのコラボレーションを拡大する。2025-26年秋冬向けには、スパイバーの人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN、以下BP)」を贅沢に100%使ったファーなどバリエーションを広げた。両社は7月2〜4日にパリでプルミエール・ヴィジョンへの出展に加え、マレ地区での個展も実施しており、山下智広社長は「欧州の高級ブランドから多くの引き合いがあった」という。日本では東京・表参道のイベントスペース「モザイク(mosaic)」(港区南青山5-4-30)で8月2日まで、パリ展と同様の個展を開催している。
両社は昨年、24−25年秋冬向けのテキスタイル開発から協業を開始しており、30〜50%のBP素材を使った天竺やパイル素材を開発していた。25−26年秋冬向けでは、BP100%使いのファーを筆頭に、特殊加工で柔らかさを格段に増した厚手のダブルニット、インナー・ルームウエア向けにBP10%混のモダールジャージーなどを提案した。「BP10%混のモダール素材は、1mで1800円と価格を抑えられたこともあって、多くのブランドから引き合いがある。BP100%使いでも、従来のBP素材ではなかなか出せなかった柔らかい風合いを出せた」(山下社長)という。
同展示会では、エイガールズと和歌山の繊維メーカー10社と組んでスエットやカットソーアイテムを販売する「ワカヤマ・ニット・プロジェクト」の新しいアイテム約20型も披露。価格は超長綿スビン綿を使った長袖のカットソーが1万1000円、カシミヤ100%の裏毛スエットが8万円など。同プロジェクトはパリのほか、米国のLAでも展示会を開催している。