ワコールホールディングスの2015年4?9月期は、売上高が前年同期比109.9%の1057億円、営業利益が同115.3%の96億円、税引前純利益は同105.2%の106億円だった。国内ではワコール事業のブラジャーや高価格帯商品が好調。都心部百貨店と空港周辺エリアのアウトレット「ワコールファクトリーストア」で外国人旅行客のインバウンド需要が伸びたことが売り上げの底上げに貢献した。一方、スポーツ向けのコンディショニングウエア「CW-X」や、国内子会社アイの水着事業は苦戦した。
前期に1億5600万円の営業赤字を出したピーチ・ジョン事業は3億3300万円の黒字に転換した。「国内直営店が好調だった。価格設定を見直し、無茶なセールをやめたことで、利益改善につながった。やっと軌道に乗ってきたというところだ」と塚本能交・社長。全体では増収増益となったものの「前期の数字が悪すぎた。前々期ベースでは売上高は101%。来期2ケタ増まで行けたら評価できるだろう」と厳しい表情だ。為替要因による上乗せ分は売上高35億円、営業利益5億円。「国内をもっと盛り上げないと。下期から来期以降にかけて、新規事業なども考えていきたい。外部の意見を取り入れることも検討したい」と語った。
16年3月期の連結業績予想は、売上高は前期比106.9%の2050億円、営業利益は同197.7%の140億円、税引前当期純利益は同127.8%の145億円を見込む。