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アダストリアHDの遠藤社長が退任 元ファストリの松下氏が次期取締役に

 アダストリアホールディングスは、遠藤洋一・社長(54)が退任する人事を発表した。同時に、宮本英範・取締役グループ管理部門担当(48)も退く。ともに本人から退任の申し入れがあったという。一方で、弁護士でゼネラルエレクトロニクス副社長やファーストリテイリング取締役などを歴任してきた松下正・前コクヨ取締役常務執行役員(54)が新たに取締役に就任する。5月28日付。新役員体制は、オーナーでもある福田三千男・代表取締役会長(68)、松下取締役、木村治・取締役グループ営業部門担当(45)の3人が社内取締役で、残り3人の社外取締役(倉重英喜・元IBM副社長、松井忠三・良品計画代表取締役会長兼執行役員、阿久津聡・一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)の6人体制となる。一方で、執行役員制度を導入し、取締役会の意思決定機能の強化と、業務執行スピードアップと責任の明確化を図る。

 松下次期取締役の起用について、福田会長は「10年間の弁護士経験や、GE、ユニクロ(ファーストリテイリング)、コクヨなど、国内海外のマネジメント力や実績を見て、ぜひもう一度、われわれが日本を代表する企業として、ガバナンス、コンプライアンスができるようにしてほしいと要請した」と話す。後任社長については、「株主総会で役員が選任された後に、役員会で運営・執行体制について最終的に検討したうえで公表する」として、明言を避けた。福田会長は2004年に会長に退いたものの、10年に業績悪化を受けて、社長に復帰した経緯がある。ただし、今回については社長再復帰は「ない」と話す。

 遠藤社長は大学卒業後、アパレルを経て、1985年に年福田屋洋服店(旧ポイント、現アダストリアホールディングス)に入社。2001年取締役、06年取締役専務執行役員を経て、10年に代表取締役専務執行役員に就任。以降、海外現地法人役員を歴任し、13年9月からアダストリアホールディングス社と旧ポイントの社長を務めてきた。一方、松下次期取締役候補は、弁護士事務所を経て、98年にGE横河メディカルシステムに入社し、99年に取締役GE(ジーイー)メディカルシステムズ台湾総経理、2000年に日本ゼネラル・エレクトリック取締役副社長に就任。05年にファーストリテイリング入社し、取締役に就任。09年にシーメンス(現シーメンス・ジャパン)に入社し、翌年取締役に。11年3月にコクヨ取締役、常務執行役員(現任)本社統括部長、法務部長などを担当。15年2月にコクヨの取締役常務執行役員を退任している。ファーストリテイリング時代は、持ち株会社化に際するガバナンス機能の強化や、キャビンの買収、翌年FRフランス会長兼CEOなどを務めた。アダストリアでも、海外事業の建て直しやM&A、何よりもポイント、トリニティアーツとの経営統合にるグループ経営体制の確立などが期待される。

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