高島屋がオンワードホールディングス(以下、オンワード)とオムニチャネル戦略で連携を始めた。まずは9日から、新宿店と横浜店の2店舗でオンワードのウィメンズ主力5ブランド「23区」「組曲」「ICB」「自由区」「J.プレス(J.PRESS)」について取り組みをスタート。高島屋の店頭販売員はタブレット端末を用いたコーディネート提案をする他、店頭にない商品については、高島屋子会社の通販サイト、セレクトスクエアからの販売が可能になる。ネットにだけ購入したい商品在庫がある場合は自宅への配送も行う。なお、タブレット接客を通じて通販購入に至った場合は、接客をした店頭販売員の評価になるという。
連携の背景には、店頭の在庫問題がある。在庫スペースが限られる店頭では人気商品・サイズの欠品が避けられず、他店舗からの取り寄せには時間がかかる上、再度来店してもらう必要がある。「接客サービスというリアル店舗の強みと在庫が豊富なネットショップの強みを融合させ、顧客のニーズに応えていく」と高島屋。セレクトスクエアとオンワードがすでに通販在庫の在庫連携をしていることも、オムニチャネル化実現の一つの要因になったという。
年内をめどに日本橋店や柏店、大阪店でも順次連携を進める計画。連携期間は12月31日までとしているが、来春以降も顧客の反応を見て継続・拡大を検討するという。店頭では、利用促進のため、タブレット接客を通じて商品を購入した顧客に対してギフトカードなどのインセンティブを用意する。