“世界最速”の異名を持つ、パリ五輪の陸上競技アメリカ代表、ノア・ライルズ(Noah Lyles)選手の出場が8月3日から始まる。ライルズ選手は東京五輪200m銅メダリストで、昨年のブダペスト世界選手権では100mと200m、4×100mリレーの3冠を成し遂げており、今回のパリ五輪では金メダリスト候補として有力視されている。そんなライルズ選手は、記録的な走りだけでなく、パールを取り入れたユニホームスタイルやラグジュアリーとストリートを融合させた独自のセンスがファッション界でも注目を集め、陸上界にフレッシュな影響をもたらしているとも言われている。パリでの大舞台を控える彼のファッション愛とスタイルにフォーカスする。
東京五輪後に「メットガラ」&ショーモデルデビュー
「オメガ(OMEGA)」や「アディダス(ADIDAS)」のアンバサダーに起用されているライルズ選手は、21年に開催された東京五輪で結果を残した2カ月後、ファッションの祭典「メットガラ(MET GALA)」に出席。「パイヤー モス(PYER MOSS)」による純白の特注スーツを身にまとい、レッドカーペットを堂々と歩き、ファッションシーンに正式に仲間入りした。その後、「グッチ(GUCCI)」と「アディダス」によるコラボコレクションを完璧に着こなしたり、23年9月にミラノで行われた「ボス(BOSS)」の24年春夏コレクションのファッションショーにモデルとしてウオーキングしたり、ネットフリックス(NETFLIX)のドラマ「エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)」とパリ五輪がコラボしたPR動画では、黄金のマントをまといレースに臨む姿で登場したりと、競技場とは違う姿でファンを魅了してきた。
最近のお気に入りは、“パール”
トレードマークのブレイドヘアにユニホーム。これがライルズ選手の競技時のスタイルであったが、最近はハイファッションなアクセサリーを身につけ、存在感を高めている。特にお気に入りは、白く艶やかなパール。ブレイドヘアに編み込んだり、多くのパールをデザインしたネックレスをつけたりと自分のスタイルを楽しんでいるようだ。
先月出席したネットフリックスのドキュメンタリー番組「スプリント(Sprint)」のプレミアイベントでは、ヘアスタイルのアクセントと同じパールをあしらった「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」のドレスシャツに、「アミリ(AMIRI)」のスパンコールを散りばめたツイードジャケットを羽織り登場。「ボーディ(BODE)」のパンツも「プラダ(PRADA)」のサングラスも全て白でコーディネートし、華麗にドレスアップした。
ライルズ選手のスタイリングを手掛けるスタイリストのクワシ・ケッシー(Kwasi Kessie)は、ライルズ選手がアクセサリーを取り入れることで、ファッションへの愛を陸上競技という場にも持ち込むことができ、そのことで、アスリートがファッションを通して自分の個性を表現できているのではないかと話す。「彼は自分のアイデアやルックに取り入れたいアクセサリーを持って、僕とのミーティングに現れる。ライルズにとってのアクセサリーは、ルックに重層的なストーリーや話題性を表現していて、シンプルなスタイルでもスポーティーなユニホームでも彼らしい個性を引き立てている」。
ケッシーは五輪期間中のライルズ選手のスタイリングも手掛けているという。3日、どんな姿で競技場へ現れ、走者としての記録を叩き出すのか注目が集まる。